DeNA右腕は「よく2位で獲れた」 専門家が絶賛、度肝を抜かれた新人離れの“能力”

春季キャンプで投げ込むDeNA・篠木健太郎【写真:栗木一考】
春季キャンプで投げ込むDeNA・篠木健太郎【写真:栗木一考】

揃ってブルペン入り「プロで経験を積んだ投手の中に入っても見劣りしない」

 今年のドラフト1、2位は使えるーー昨年レギュラーシーズン3位からポストシーズンを勝ち上がり、26年ぶりに日本一となったDeNA。今季は27年ぶりのリーグ優勝に照準を合わせているが、ドラフト1位の竹田祐投手(三菱重工West)と2位の篠木健太郎投手(法大)が揃って大きな力になりそうだ。現役時代に日本ハム、横浜(現DeNA)など4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が、沖縄・宜野湾キャンプをチェックした。

 竹田と篠木の両右腕は13日にブルペン入りし、伊勢大夢投手、現役ドラフトで阪神から移籍した浜地真澄投手、2年目の松本凌人投手らと並んでピッチングを披露した。野口氏は「ドラフト1、2位の2人は、プロで経験を積んだ投手の中にいても見劣りせず、むしろ目立っていたくらいです」と感嘆する。

 2人はタイプが違う。竹田は「ゆったりしたフォームから、切れのいい球がひゅんと来る感じ。打者から見て打ちにくさを感じる投手です」と野口氏。「きょうは本人としてはあまり調子が良くなさそうな様子でしたが、右も左もわからない新人にとって疲れがピークに達する時期ですから、しかたがありません。環境に慣れ、疲れが抜けてくれば、球威はもっと上がると思います。下半身が大きくて馬力がありそう。先発タイプでしょう」と評した。

 一方、篠木は法大時代から、大きく振りかぶって最速157キロの剛速球を投げ込む本格派として知られていた。野口氏は「きょうも体全体を使った躍動感のあるフォームから、凄い球を投げていました」と絶賛した。

「実は、篠木に関して注目ポイントが1つありました」と野口氏。「今どき珍しいワインドアップから、全身を使って跳ねるように投げる篠木ですが、セットポジションではどうなのか、という点です」と明かす。

「1位で消えると見ていた篠木をよく2位で獲れたなと」

 その結果は想像を超えていた。「途中からクイックで投げ始めたのですが、そこそこ上手です。そしてクイックで投げても球速が落ちないところは、大したものだと思いました。プロでもワインドアップでは155キロの速球を投げられるのに、クイックとなると5キロ以上球速が落ちてしまう投手が結構いますから」と感心しきり。「法大時代に元プロの大島公一監督、高村祐助監督の指導を受けただけあって、しっかり仕込まれていると感じました」と付け加えた。

「この篠木をよく2位で獲れたな、と思います。僕は1位で消える選手と見ていましたから」とも。「大学3年の秋に右肩の違和感を訴え、それで評価を下げた球団もあったと聞きましたが、DeNAは僕と同い年の河野亮アマスカウトが担当で、『大丈夫』という情報を得ていたそうです。実際、きょうのブルペンで肩の不安は全く感じられませんでした」と語った。

「DeNAは以前からルーキーであっても、良ければ遠慮なく、どんどん使ってきたチームです、竹田と篠木が先発ローテに入ってくる可能性も十分あると思いますよ」と野口氏は分析する。確かに、2015年ドラフト1位の今永昇太投手(現カブス)、2016年1位の浜口遥大投手(現ソフトバンク)、2017年1位の東克樹投手はいずれも、1年目から先発ローテの一角として活躍した。今年も新人2人のフレッシュな活躍を、1軍のマウンドで見られるか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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