侍Jの“カギ”握る5人の大砲 指揮官が語る2つのテーマ…超大幅改革にあった背景

会見に出席した侍ジャパン・井端弘和監督【写真:加治屋友輝】
会見に出席した侍ジャパン・井端弘和監督【写真:加治屋友輝】

初選出20人、昨年のプレミア12組はゼロ、2023年WBC組は1人

 日本野球機構とNPBエンタープライズは14日、野球日本代表「侍ジャパン」とオランダとの強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」の出場選手28人を発表した。20人が初選出で、昨年のプレミア12メンバーからの選出はゼロ。2023年のWBC組もオリックス・宮城大弥投手だけとフレッシュな顔触れだ。

 井端弘和監督がチームの強化に掲げた大きなテーマは2つある。「左の中継ぎ」と「長打力」だ。準優勝に終わった昨年11月の「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」は決勝でチャイニーズ・タイペイに0-4で完敗。中盤に左打者に浴びた2本の本塁打が勝負を分けたことが背景にある。

 勝負どころで“左キラー”となれる投手が「1人でも多く出てきてほしい」と願う井端監督。今回でいえば中日・橋本侑樹投手、広島・塹江敦哉投手、日本ハム・河野竜生投手がその候補。さらにオリックスでは先発ローテーションの一角を担う曽谷龍平投手についても「その(中継ぎの)位置づけ」と説明し「どのように外国の打者が反応するのかを見てみたい」と救援左腕4人に期待を寄せた。

 短期決戦の国際試合では長打力が試合を左右するケースが多い。昨年のプレミア12決勝は2被弾を食らい、打線は散発4安打に終わったことが指揮官の脳裏にある。世界一になった2023年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は準決勝のメキシコ戦でレッドソックス・吉田正尚外野手が起死回生の同点3ラン。アメリカとの決勝ではヤクルト・村上宗隆内野手と巨人・岡本和真内野手の一発が効果的で「当然、長打力というところは必要」と強調した。

 大一番になればなるほど「連打連打は望めないのかなと思う」と説明する中で、「キーを握っている」という長打を期待する選手には阪神の大山悠輔内野手と佐藤輝明内野手、中日・細川成也外野手、ソフトバンク・廣瀬隆太内野手、日本ハム・水谷瞬外野手を指名。細川と佐藤輝については「40本、50本(本塁打を打つ)という可能性は残っているので今季、大きく飛躍してほしい」とさらなる成長を期待した。

 まずは来年のWBCが照準となる。「WBCまで1年弱。本番を想定して、ある程度イメージしてやっていけたら。1年後、いいメンバーが選べればいいなと思います」。強化試合で新たな戦力が発掘できれば、連覇に向けてチーム力の大きな底上げとなる。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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