前田健太、契約最終年の覚悟 昨季は6.09…立場変わった10年目「掴み取らないと」
![タリク・スクーバルと会話するタイガース・前田健太【写真:編集部】](https://full-count.jp/wp-content/uploads/2025/02/15133449/20250215_maeda_skubal_ed.jpg)
タイガース・前田健太、メジャー10年目のキャンプも「毎年、新鮮な気持ちで」
メジャーで10年目を迎えたタイガース・前田健太投手が春季キャンプに精力的に臨んでいる。キャンプ3日目となった14日(日本時間15日)は昨季ア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞したタリーク・スクバル投手とキャッチボールを行った。
エース左腕から誘われた前田は「たまにはいいんですけど普段は気を使うので。自分のペースでやりたい」と笑ったが、最後は今シーズンの健闘を称え合うかのようにがっちりと抱き合った。
競争激しいメジャーで10年目を迎えることは大きな価値がある。シーズン中、節目の日を迎えた時にはクラブハウスで祝福の時間が設けられるほど特別視されている。それでも、前田は「正直あんまり変わらないですね。1年目から10年目までそんなに。もちろん、クラブハウスでの緊張感とか全く違いますけど、毎年、新鮮な気持ちでここに来ています」と心境を語った。
タイガースと2年契約を結んで迎えた昨季のキャンプとは、立場が大きく変わっている。スコット・ハリス編成本部長は「彼はこのキャンプで先発ローテーションの枠を争うことになる」と明かした。開幕直後の不振で中継ぎに配置転換された昨季は3勝7敗、防御率6.09と苦しんだ右腕は居場所のない状況から、節目の10年目をスタートさせた。
36歳、ベテラン右腕になった今「自分で場所を掴み取らないといけない」
前田は昨シーズン終了後、感覚がずれた投球フォームの修正を試みるため、11月にキャッチボールを再開した。例年よりも1か月以上も早く始動し、12月中に遠投、年明けにブルペン投球を行うなど早めに仕上げてきた。
「投球フォームにいろんなズレが出ていた。それを正すことができてボールの力強さとかスピードが戻ってきたと思う。すごくいい感覚で投げることができています」
悪い癖が出ていたフォームの修正に成功し、充実した表情を見せる。ハリス編成本部長も「すごくいい状態。昨日のブルペンでの投球練習もすごく良かった。(投球での)体の動きが昨年よりも良くなっている。それは彼のパフォーマンスに2つの影響を与えることになる。まず1つは、彼の体が少し強くなったことで球に力強さが出たということ。そして何より大きいのは、体の動きが良くなったことで、制球にもいい影響が出るということ。このリーグで彼が成功してきた大きな要因として高い制球力が挙げられる。昨シーズンは苦しんだが、以前のような制球力が戻ってくることが期待できる。実戦でケンタを見るのが今から楽しみ」と、右腕の復活に期待を込める。
タイガースの先発陣はスクーバルと、ドジャースから復帰したジャック・フラハティーの2枚看板を筆頭に、昨季デビューを果たした超有望株のジャクソン・ジョーブや、リース・オルソン、ケーシー・マイズに、ベテランのアレックス・コッブらがおり、層は厚い。
昨季中継ぎに回った36歳のベテランが先発の座を奪うには、オープン戦から好投し、激しい競争を勝ち抜く必要があるだろう。「自分で場所を掴み取らないといけない。ただ、この年齢になって競い合える気持ちになれるというのは、そこに関してはいいのかなと。自分の中でも向上心や競争心ももう1度今年に関しては出てきている」。10年目の感慨に浸ることなく、強い決意を持って勝負のシーズンに挑んでいる。
(Full-Count編集部)
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