「ゾッとする」消えたサヨナラ満塁弾…歓喜のあまり「頭が真っ白」忘れられぬ苦い思い出
![日ハム・新庄剛志監督【写真:町田利衣】](https://full-count.jp/wp-content/uploads/2025/02/15151126/limit_20250215_shinjyo_mr.jpg)
通算2012安打の田中幸雄氏、「名球会チャンネル」で告白
日本プロ野球名球会が運営する公式YouTubeチャンネル「名球会チャンネル」が「激白! レジェンドたちのしくじり話」の後編を公開。日本ハムで22年間プレーし、通算2012安打、287本塁打の田中幸雄氏が「絶対に忘れられない」という苦い思い出を語った。
プロ19年目だった2004年9月20日、札幌ドームで行われたダイエー戦。日本ハムは9回、3点差を追い付くと、なおも2死満塁で新庄剛志氏(日本ハム監督)の放った打球は左中間席へ飛び込んだ。土壇場で飛び出した“サヨナラ満塁本塁打”に球場は大興奮だ。
新庄氏もダイヤモンド上で跳びはねて、喜びを表現していた。しかし、このあと“ドラマ”が……。「あまりの興奮で、うれしくて頭が真っ白になってしまった」という一塁走者だった田中氏と一、二塁間で抱き合って一回転。これを前方の走者を打者が追い越したと判断され、新庄氏はアウトに。本塁打は取り消されてしまった。
2人が抱き合う前に三塁走者は生還していたため、サヨナラ勝ちは成立。新庄氏の記録は単打、打点1となり、試合は終わった。ただ打点3と本塁打は幻に。その話を聞いていた元広島監督の野村謙二郎氏は「もし負けてたり、打点のタイトル争いとかしていたら……それはゾッとするね」と肩をすくめた。
サヨナラ勝ちで本塁上で歓喜の輪ができる中、田中氏は「僕だけその場に入れなかった」と振り返る。新庄氏に謝罪した際には「いいですよ、いいですよ!」と言ってくれたそうだが「本心はどうだったんだろう」と今でも気になる様子。「本当に忘れられない」と繰り返していた。