韓国を離れ「後悔するかも」 “最強投手”も年俸2億円…保証されぬ立場に懸念の声

パドレスと契約したカイル・ハート(写真はレッドソックス時代)【写真:Getty Images】
パドレスと契約したカイル・ハート(写真はレッドソックス時代)【写真:Getty Images】

ハートは昨季KBOで13勝、防御率2.69、182奪三振をマーク

 パドレスは13日(日本時間14日)、昨季韓国プロ野球(KBO)でリーグ最優秀投手に選ばれた左腕のカイル・ハートと1年150万ドル(約2億3300万円)+2026年は500万ドル(約7億7500万円)の球団オプションで契約を結んだ。一方で“古巣”メディアは「韓国を離れたことを後悔することになるかもしれない」と、今後を危惧している。

 現在32歳のハートは2016年ドラフト19巡目指名でレッドソックスに入団し、2020年にメジャーデビュー。4試合(3先発)に登板したが、0勝1敗、防御率15.55と結果を残せず、2021年以降はマイナー暮らしが続いた。しかし、昨季KBOのNCダイノスに入団すると才能が開花。26先発(157回)を投げて13勝3敗、防御率2.69、182奪三振をマーク。韓国のサイ・ヤング賞に当たるチェ・ドンウォン賞を受賞した。

 オフは韓国残留を蹴り、メジャー復帰を模索。2月になってパドレスと契約を結んだが、韓国メディア「OSEN」は「韓国に残るべきだったか? MLB復帰も…点安価な契約と熾烈な競争、『茨の道』を予告、パドレスは先発投手をトレードせず」と題した記事を寄稿し、ハートが直面する現実を指摘する。まz、「もしNCダイノスと再契約していたら、150万ドル以上の待遇を期待できたかもしれない」と、待遇面では韓国が上の可能性があると分析する。

 さらに、ハートが「先発とリリーフを兼ねるスウィングマンやロングリリーフとして評価されており、先発の座を保証する球団を見つけるのに苦戦」したと、厳しい評価をされているとも。加えて、パドレスはダルビッシュ有、ディラン・シーズ、マイケル・キングと強力な三枚看板を揃え、ニック・ピベッタも獲得。一時はシーズらに放出の話もあったが、現状は残留が濃厚で、先発の枠は事実上1枠しかなく、ハートは熾烈な争いに晒されるとも見ている。

 同メディアは「メジャー契約を勝ち取ったこと自体、ハートにとっては意味のあることだ」とし、メジャー通算防御率15.55ながら5年ぶりの復帰の可能性をポジティブにも捉えた。しかし、「サンディエゴのチーム内競争に敗れ、来季の契約が延長されなければ、韓国を離れたことを後悔することになるかもしれない」と、左腕の決断を憂慮した。果たしてハートは、韓国で活躍した実力をメジャーでも発揮できるか。勝負はスプリングトレーニングから始まっている。

(Full-Count編集部)

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