エ軍、レンドンに保険かけず76億円の“損失” 渋ったオーナー「負担したくない」

エンゼルスのアンソニー・レンドン【写真:Getty Images】
エンゼルスのアンソニー・レンドン【写真:Getty Images】

保険に加入していれば5000万ドル(約76億円)程度はカバーできたか

 エンゼルスのアンソニー・レンドン内野手は股関節の負傷のため、2025年シーズンの開幕が絶望的となった。さらに離脱は長期間になるとされ、今季も満足な稼働ができないことになった。大型契約で加入後は低迷が続いているが、米メディアによるとレンドンとエンゼルスの契約には保険がかけられておらず、仮にかけていれば5000万ドル(約76億円)程度の節約ができたという。

 レンドンはナショナルズ時代には球界屈指の三塁手として君臨。2019年には打点王を獲得したほか、ワールドシリーズ制覇に貢献した。同年オフにFAとなり、エンゼルスと7年総額2億4500万ドル(約371億円)の巨額契約を結んだ。しかし、相次ぐ故障の影響で2021年以降、60試合以上に出場した年はなく、昨季も57試合で打率.218、0本塁打、14打点、OPS.574に終わった。

 米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者は、「傷口に塩を塗るような話だが、球団の方針に詳しい関係者によると、エンゼルスはレンドンや他の選手に対して保険をかけていないということだ」と指摘し、「その理由は、オーナーのアート・モレノが追加費用を負担したくないからだ」と伝えた。

 保険料と給付金は選手の負傷歴によって異なり、一般的には故障しがちな投手の方が保険料が高くなる傾向にある。ダルビッシュ有投手がレンジャーズと結んでいた契約にも保険が含まれており、2015年にトミー・ジョン手術を受けたことで同年の年俸1000万ドル(約15億1600万円)のうち半分がチームに返還されると、当時地元紙の「ダラス・モーニング・ニュース」が伝えていた。

「ジ・アスレチック」によると、エンゼルスがレンドンの保険に加入していれば、少なくとも5000万ドル程度(約75億8000万円)、節約できた可能性があるという。今年6月には35歳を迎えるレンドンは今季と来季は年俸3860万ドル(約58億5100万円)となっており、厳しい成績のままキャリア終盤を迎えてしまうレンドンに高額な支払いを続けることになる。

 ナショナルズ時代も決して“頑丈”というわけではなく、定期的に下半身の負傷などで離脱する時期もあったレンドン。エンゼルスはみすみす大金を失うことになった。レッズとナショナルズでGMを務めたジム・ボウデン氏からは「史上最悪の契約」と指摘されている。

(Full-Count編集部)

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