大谷翔平の二刀流復活、敵将の意外すぎる“本音” 覇権争いの難敵も「本当は嬉しい」

キャンプで投げ込むドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
キャンプで投げ込むドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

Dバックス・ロブロ監督「打者に入るショウヘイを見るのは大嫌いです」

 ドジャースの大谷翔平投手は今季2年ぶりの二刀流復活を目指している。移籍1年目の昨季は54本塁打&59盗塁で3度目のMVPを獲得。ライバルチームにとっては打者だけでも脅威なのは間違いないが、敵将たちはどう見ているのか。18日(日本時間19日)にアリゾナ州フェニックスで行われたメディアデーに参加したドジャースと同地区の監督たちに聞いた。

 まずはダイヤモンドバックスのトーリ・ロブロ監督だ。「投手・大谷と打者・大谷はどちらが嫌か?」。記者の問いかけに、ヤクルトでのプレー経験を持つ59歳は迷わずに切り出した。

「打席に入るショウヘイを見るのは大嫌いです。打者としての彼の方が嫌です」

 打者・大谷は昨季のダイヤモンドバックス戦で打率.306、3本塁打、7打点。OPS.926と打ち込まれた。一方、投手ではエンゼルス時代の2021年6月11日(同12日)に5回5安打2失点で勝ち負けつかず。その1試合しか登板していない。「理由は、打者としてのショウヘイしか今は知らないから」と話したが、こうも言った。

「ボールは超一流だと思う。目を見張る速球、目を見張る変化球。だから、我々は、どれだけ健康な状態なのかを見たくて仕方がない。とても努力しているのを知っているからね」

 ダイヤモンドバックスは、このオフに2021年サイ・ヤング賞コービン・バーンズを獲得。今季の地区優勝争いでは、ドジャースの一番の難敵になると見られている。まずは投手・大谷とのバトルを心待ちにしているようだ。

 続いては、昨年のポストシーズンでドジャースを最も苦しめたパドレスのマイク・シルト監督。打者・大谷は昨季のパドレス戦で打率.326、1本塁打、7打点。一発こそ最小限に抑えたが、それでもOPS.922と打たれた。「どちらというのはないね。投手としてのオオタニはあまり見たことがないので、一般的な比較ができない。でも、投打で良い選手であることは明らかだ」。二刀流選手として要注意マークを付けた。

 ナ・リーグ西地区の覇権を争う両監督。投手・大谷を攻略し、打者・大谷を封じ込めることは1つのテーマとなるが、両監督とも実は大谷の二刀流復活を心待ちにしている。

 シルト監督「時代を代表する、いや、複数の時代を代表する才能だ。投打で彼ができることができた選手はいない。かなり特別なことだ。これは野球にとって良いこと。投手復帰は良いことだ。健康な状態で戻ってきてくれたことが嬉しい。投手として戻ってきてくれて、そして我々が投打両方で競い合うことができて本当は嬉しいんだ」

 ロブロ監督「特別な才能があるし、特別な選手だ。あんなにハイレベルで二刀流ができることは、驚きに近い。打席とマウンドでね。私は憧れているんだ。だが、彼と戦わないといけないので、その点では少し違ってくる。我々にとって最善策を見つけ出すが、まずは彼が健康な状態で戻ってきてくれて嬉しいんだよ」

 二刀流として奮闘する大谷には、ライバルチームの両監督とも畏敬の念を抱いている。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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