甲斐拓也が激白…“もう1つ”の移籍理由「ずっと一緒にやっている」 感謝する存在

巨人・甲斐拓也(左)と阿部慎之助監督【写真:小林靖】
巨人・甲斐拓也(左)と阿部慎之助監督【写真:小林靖】

昨年12月の入団会見…移籍の要因は「間違いなく阿部監督です」

 国内FA権を行使して、ソフトバンクから巨人へ移籍した甲斐拓也捕手がFull-Countの単独インタビューに応じた。昨年12月26日に行われた入団会見では、新天地での挑戦を選んだ理由について「阿部監督です。それが間違いなく決断の1つ」と語っていた。年が明けて迎えた今春のキャンプ。語ったのは、自らの背中を押してくれた村田善則総合コーチの存在だった。

 野球日本代表「侍ジャパン」に初めて選出されたのは2017年11月。「アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」で、村田コーチと出会った。「善(ぜん)さん」と呼ぶ関係性で「その年から僕はジャパンに入って、ずっと一緒にやっている。今ジャイアンツにきて善さんがいても、不思議な感じがしないくらいですね」と振り返る。日の丸を背負った際、いつも隣で支えてくれる存在だった。

 2023年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、現ドジャース・大谷翔平投手を中心に世界一に貢献した。甲斐も侍ジャパンの一員として、懸命に投手陣を引っ張った。一戦必勝の国際大会。「僕たちの前に善さんが腹を括ってやっているというのはありましたね。そこの言葉で、僕たちキャッチャー陣がやりやすいようにやらせてくれました」。選手以上に首脳陣が研究を重ねているからこそ、グラウンド上でも勇気を持ってプレーができる。常に“根拠”を与えてくれる村田コーチを、自然と信頼するようになっていった。

「ジャパンでも、ちゃんと話をして『いってもいいから』っていう話し方はしてくれていました。(シーズン中も)ちょこちょこ連絡はいただいていましたし、ジャイアンツに来てからも、村田さんには助けられています」

ソフトバンク時代の同僚右腕も証言…「すごく準備される方」

 ソフトバンク時代に同僚だった泉圭輔投手も「日本を代表する捕手。(状態が)いい時も悪い時も、僕のことをよく知ってくれている。去年1年で変わった姿を、ボールを通じて知ってくれたら」と声を弾ませる。再びチームメートとなったことを喜んでいた。実績のある捕手が加入したことで、巨人の投手陣にはどんな影響を与えるのか。甲斐をよく知る1人として、泉は「情報の量が半端ないです」と代弁する。

 扇の要を担ってきた甲斐はいつも、相手チームのデータや傾向をまとめて、自筆でノートにまとめていた。ビジターでの試合前、飛行機や新幹線で移動する時は、必ず相手チームの映像に目を凝らしていた。“半端ない情報量”で、投手陣を引っ張ってくれる。泉も「すごく準備される方です。試合にかける思い、チームにかける思いは人一倍強い方だと思うので。そこに乗っかってアシストというか。一緒にいいものを作っていけたら」とうなずいた。徹底して備えていることを知っているから、甲斐のサインを心から信じてマウンドに立つことができる。

 巨人では阿部慎之助監督が現役時代に背負った背番号10を託された。「ジャイアンツもすごく伝統のある球団。ホークスとはまた違うなというのは感じますね。すごく新鮮ですし。このユニホームを着てやるのは、僕個人としても嬉しいことです」と背筋を伸ばす。移籍することを「挑戦」だと表現し、自ら重圧の中に身を投じると決意した。新しいチームメートとともに、セ・リーグの頂点を目指す。

(竹村岳 / Gaku Takemura)

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