20歳大砲候補に漂う“覚醒気配”「フェーズが上がった」 コーチが称賛する才能

2軍打撃コーチが評価する内田湘大の野球に取り組む才能
広島の高卒3年目・内田湘大内野手が16日、阪神との練習試合(宜野座)で4安打5打点の活躍を見せた。1軍に帯同し実戦で結果を残した20歳を、2軍キャンプ地の宮崎・日南で見守った新井良太2軍打撃コーチは「結果はもちろん、技術的にもすごく良かった」と評価した。
新井コーチは、内田と同じ時期に広島に加入。2軍打撃コーチとして鍛錬を積む内田の姿を最も身近な場所で見守ってきた。「1年目の内田の打撃は、今では考えられないほど課題がたくさんありました」と振り返る。ドラフト2位の大砲候補ということもあり、2軍で数多く出場チャンスを得た。しかし、1年目は打率.163、0本塁打と目を引く成績を残せなかった。
内田自身も昨季の春季キャンプで「結果を残そうとするあまり、バットが振れなくなっていることがありました」と1年目の苦悩を明かしていた。新井コーチが「不器用なんです。パワーはありますが、打席でうまく力をコントロールすることができていませんでした」と話すように、力みが焦りを生み、バットの振りを鈍くしていた。
ただ、どれだけ不振が続いても内田はバットを振り続けた。「野球に取り組む“才能”はすごいものがあります。2023年から広島の2軍コーチを務めていますが、この2年間で内田が1番バットを振っています」と、ひたむきに練習に励む姿に新井コーチはずっと寄り添ってきた。
夏場に見えた成長「フェーズがグッと上がった」
変化の兆しは昨季の夏頃から見え始めた。打席でのタイミングの取り方、間の使い方、力の抜き方が見違えるように良くなり快打を重ねた。「打席でゆとりを持てるようになり、打者としてのフェーズがグッと上がりました」と新井コーチも忘れられない“進化”の瞬間だった。
昨季最終戦では、1軍初出場初安打を記録。春季キャンプも1軍に抜擢され、紅白戦、練習試合と着実に結果を残している。貪欲に素振りを続けた成果もあり、スイングの強さと速さはチーム随一。そこにタイミングを取る感覚を身につけつつあることで急成長を見せている。
成長著しい内田だが、新井コーチは超えるべき壁がたくさんあると話す。「まだ1軍の第一線で投げている投手と対戦していませんからこれからでしょうね。そんな簡単にはいかないです。ただそれを経験できる場所までこれたのは、やってきた方向性が間違っていなかったということ。今は映像でしか見れませんが、すごくいい形になっているので継続していってほしいですね」。
今季から直接指導することは減ったが、2年間、1番近くで指導してきた選手だけに“気がかりな存在”といえる。「これからどうなるか分かりませんが、内田には積み重ねたものがありますから」。逞しさを増す20歳が、このまま“戻ってこない”ことを2軍で指導を続ける新井コーチは願っている。
(真田一平 / Ippei Sanada)
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