“朗希狂想曲”も「だから何?」 ベッツはどこ吹く風…周囲の熱狂も「これ練習だから」

ライブBPに登板し躍動感あふれるフォームで投球するドジャース・佐々木朗希【写真:荒川祐史】
ライブBPに登板し躍動感あふれるフォームで投球するドジャース・佐々木朗希【写真:荒川祐史】

ベッツ「東京で僕らがスタートする時に、どうなるかだね」

 異例の注目度だった。ドジャースの佐々木朗希投手は19日(日本時間20日)、アリゾナ州グレンデールで実戦形式の打撃練習「ライブBP」に初登板。延べ9人と対戦し、最速95マイル(約152.8キロ)を武器に安打性の打球は1本。2三振を奪うなど上々の実戦デビューとなった。

 ロバーツ監督やフリードマン編成本部長ら球団首脳だけでなく、休養日だった大谷翔平や山本由伸ら多くの投手陣がネット裏に集結。フェンス越しには200人を超えるファンが熱い視線を注いだ。

 報道陣も熱気ムンムンだった。練習後に行われた佐々木の囲み取材には日米メディア50人超が集結。タイミング良く質問するのも大変で、「コメントを聞き逃すまい」と録音するiPhoneを伸ばすのに必死だった。クラブハウスでは、佐々木と対戦した各打者のコメント取り。クラブハウス内は報道陣でごった返した。

 ただ、チームリーダーだけは違った。ムーキー・ベッツ内野手だ。バットが入ったドラムバックを担いで、クラブハウスへ帰ってくると、息つく間もなく報道陣が集結。「ササキの投球は見ましたか?」。米メディアが第一声で質問すると、クールに言い放った。

「これは練習だからね。だから何? 彼がいい投球をすれば、話題になるだろう。そして、いい投球をしなくても、話題になる。(ライブBPの内容が)どうであれね」

 右翼手から遊撃手へ再コンバートとなり、新加入のキム・ヘソンとは新たな二遊間コンビに。今キャンプでは守備力の向上に必死だが……。ここでも常勝の秘訣を垣間見た気がした。

 通算1615安打&271本塁打を誇り、3度のワールドシリーズ制覇に8度のオールスター選出と輝かしいキャリアを築いてきた。「東京で僕らがスタートする時に、どうなるかだね」とベッツ。開幕へどう準備するか。32歳の視線は、いつもシーズン中の戦いへ向けられている。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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