大谷翔平「常に変化を求めたい」 成熟のスタイルと決別…10分会見で見せた”真髄”

約50人の報道陣が集まった取材対応「自分の中で常に変化を求めたい」
常に進化を――。ドジャース・大谷翔平投手は野球人の真髄を見せた。約50人のメディア関係者が集結した10分間の取材対応。「なぜノーワインドアップに変えたか?」。米記者から問われ、言葉を選びながら答えた。
「常にそうですけど、変化を求めていきたいなと思っているので。メジャーに来てからはセットで投げていますけど、自分の中で常に変化を求めたいなと思っている。その中の一つかなと思います」
2年ぶりの二刀流復活の期待がかかる。だが、決して“現状維持”で戻るつもりはない。ノーワインドアップ自体はNPB時代の2013年に投げていたが、当時は制球が安定しなかった。翌2014年からセットポジションから投球。課題だった与四球率(BB/9)は2013年から4.82→3.30→2.58と年を追うごとに良くなり、2018年のメジャー移籍後はセットポジションが始動スタイルとなった。
セットポジションに比べ、ノーワインドアップは体のひねりを使える分、一般的には球速が速くなる。そして、ピッチクロックの対策にもなる。無走者の際には「15秒」、走者ありで「18秒」で投球動作を始める必要があり、左足を引いてから一呼吸を置けるノーワインドアップは、体への負担軽減になる。「多少はもちろんあります。余分に時間が取れる」。
ノーワインドアップをシーズン中も継続するのか。投手復帰が見込まれる5月頃までは、まだ時間はある。「今のところはその予定では考えていますけど、また強度が上がった時にどういう反応が来るのかによって決めたいなと思います」。先発投手はチームの勝敗に直結する。それだけに、慎重な姿勢は崩さなかった。
オープン戦での登板はなく、レギュラーシーズンに入ってからマイナー戦で実戦登板する予定はない。いわば“ぶっつけ本番”での投手復帰となる。「ブルペンもライブBPも試合も、フィーリングが一番大事だと思っている。やるべきことをしっかりこなしていければ、良いスケジュール通りのプランで投げられるんじゃないかなと思っています」。自問自答を繰り返し、投手復帰への準備を進めていく。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)
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