菅野智之、“技あり被弾”に驚き「人生初体験」 5打点のヤ軍27歳に脱帽「あそこの球を」

ボール気味の一球を被弾「あそこの球をもっていかれたのは人生初体験」
【MLB】ヤンキース 9ー7 オリオールズ(日本時間21日・フロリダ)
オリオールズの菅野智之投手が20日(日本時間21日)、フロリダ州サラソタで行われたヤンキースとのオープン戦に先発し、4回2/3を投げて6安打5失点、4奪三振、2四球の内容で初黒星を記録した。5試合目で初失点した菅野は「序盤はストライクを先行できなくて配球的にもアドリー(ラッチマン)に苦労させた。徐々に立ち直っていけたのでよかったです」と振り返った。
雨で試合開始が1時間近く遅れたマウンド。アーロン・ジャッジ外野手、コーディー・ベリンジャー外野手、ジャズ・チザムJr.内野手ら主力打者が並んだ強力打線に対し、3回までに5点を失った。
初回、チザムJr.に2点適時打を浴びると、3回1死一、三塁でチザムJr.に内角ボール気味の速球を強振され、右翼フェンスを越える3ランを献上。「あそこの球をもっていかれたのは人生初体験」と脱帽した。
これまで4試合連続無失点だった右腕は「何事も勉強と思いますし、勉強、勉強と自分に言い聞かせてやっているので。もちろん、点を取られたのは悔しいですよ。きょうも0点で終わるんだっていう気持ちでマウンドに上がりましたけど、それ以上に得たものも大きかった気がします。しっかりと次につなげないといけないなって思います」と前を向いた。
それでも、最後は6者連続でアウトを取ってマウンドを降り、オープン戦最後の登板を力強く締めくくった。第1打席と第2打席に四球を与えた主砲ジャッジに対しては、5回にフルカウントからカットボールで空振り三振に仕留めて「最後になんとかやり返せてよかったです」とうなずいた。
前回までのように完璧な内容ではなかったものの、苦しんだことで見えたこともあったと言う。「いつもよりもスパイクに土がついていて踏ん張れないなっていう感じがしてて。途中で気づいて泥を落として、それが3イニング目終わった後にやった。そういう細かいところに気付けたのもよかった」。
正捕手のアドリー・ラッチマンは「彼はスプリットを多めに投げることを望んでいた。ヤンキース相手にやりたいことはできた。スプリットとカーブを操ることができてタイミングをうまく外すことに長けている」と評価。また、キャンプ中にはゴルフを一緒にラウンドしたそうで「とても面白い人でクールだ。野球以外の場所で時間を過ごせてよかった」と親交を深めた様子。ゴルフの腕前については「スガノの方が上だよ」と言って笑った。
オープン戦は5試合に投げて2勝1敗、防御率3.00。シーズンに向けて手応えをつかんだ。「最初は戸惑いもありました。投げたことのないボールを投げたことのないコースに投げたりとか。何も意識せずにバッターと勝負できているというところではすんなりとシーズンに入れると思います」。言葉に充実感が満ちていた。
(Full-Count編集部)
