曽谷龍平が掲げる目標「13勝」の意味 3年目も謙虚に邁進「調子をこいている立場じゃない」

オリックス・曽谷龍平、プロ3年目も「まだまだ調子をこいている立場じゃない」
ブレずに実績を積む。オリックス・曽谷龍平投手が、これまでと変わることなく自分と向き合い、プロ3年目で主戦投手としての地歩を固める。「確実に先発ローテーションに入れるとは思っていません。まだまだ調子をこいている立場じゃないので。もう1度、ちゃんとローテに入り込む気持ちでやってきました」。スリムな長身左腕が背筋を伸ばし、表情を引き締めた。
曽谷は奈良県斑鳩町出身。明桜高(秋田)、白鴎大から2022年ドラフト1位でオリックスに入団した。プロ1年目は7試合に先発登板。シーズン最終戦でプロ初勝利を挙げ、昨季は20試合に登板し7勝11敗、防御率2.34の成績を残した。
それでも、笑顔がないのは「良い成績を残せた次の年は周りの期待もありますし、それに応えるのがトップレベルの選手だと思います」と、さらなる高みを目指すからである。
今季の目標には「規定投球回」を挙げてきた。「まず、そこがプロの中で基準となってきますから。クリアすることができたら、プロの中でもすごい選手の中に入れると思うので。まず、土台に乗ること。そこからがスタートです」。
昨季の最長は7回0/3、投球数112。「無駄なボールを投げれば長いイニングを投げられないことは、1年間投げ続けてわかりました。四球を少なく、ボール球を少なくすれば、球数は減りますし、イニング数は伸びます。今年は無駄なボールを1球でも少なくしたい」と意気込む。
目指す勝ち星は「13」。自主トレ期間中の大阪・舞洲の球団施設で、ファンから地元・龍田神社の野球ボール型の絵馬を差し出され「13勝」と書き込んだ。
「去年は8勝を目標にして7勝だったので、13勝にしました」。昨季から5勝の積み上げという実現可能な数字を書き込んだのは堅実な曽谷らしいが「そこから積み上げていきたいと思っています」と秘かに闘志を燃やす。
○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)
