鮮烈だった162キロの衝撃 阪神・藤浪晋太郎は来季完全復活できるか?

阪神・藤浪晋太郎【写真:荒川祐史】
阪神・藤浪晋太郎【写真:荒川祐史】

10月19日のヤクルト戦で日本人歴代2位の162キロをマークした藤浪

 ソフトバンクの4年連続日本一で幕を閉じた2020年のプロ野球界。各チーム、選手はシーズンオフに入り、迫りくる2021年シーズンに向けた準備に入っている。

 その来シーズンでの復活を期待されている選手の1人といえば、阪神の藤浪晋太郎投手だろう。大阪桐蔭高でエースとして春夏連覇を果たした“甲子園の星”。大谷翔平とともに大器と称された藤浪の復活は阪神ファンのみならず、全国の野球ファンが期待していることだろう。

 2012年のドラフト1位でプロ入りすると、いきなり高卒1年目で2桁10勝をマーク。そこから2015年まで3年連続2桁勝利を挙げ、阪神のエース候補として順調にキャリアを歩んでいた。だが、2017年以降、制球難に陥り、ファーム暮らしが長くなり、2019年はわずか1試合の登板に終わった。

 ただ、今季の藤浪は復活の可能性を感じさせた。3月下旬に新型コロナウイルスに感染して入院。開幕後もしばらくは2軍暮らしとなった。潮目が変わったのは9月下旬。球団内で新型コロナウイルスの集団感染が発生し、緊急昇格して中継ぎとして登板したことだ。

 9月26日のヤクルト戦こそ負け投手になったが、その後はリリーフとしてチームに貢献。10月は11試合に登板して防御率1.76。投球内容が大幅に改善されてきたことから、10月28日の中日戦で先発に戻ると、そこからシーズン終了まで3試合に先発して1失点(自責点0)と上々の投球を披露した。

 今季の藤浪の中でも、特に衝撃を与えたのが10月19日のヤクルト戦(甲子園)。7回に3番手として登板すると、代打・松本友に対しての2球目に自己最速を更新する162キロをマークした。衝撃の1球には甲子園のファンもどよめきに包まれていた。

 162キロは日本ハム時代の大谷翔平投手に次ぐ日本人歴代2位の記録。外国人を含めても巨人のチアゴ・ビエイラ投手の164キロに続く、歴代3位タイ(藤浪のほか、マーク・クルーン、アルキメデス・カミネロ、リード・ギャレットがマーク)の記録だった。

 まだ四死球の多さこそあれ、それは藤浪のプロ入り時からの特徴。2015年、2016年は四球数リーグワーストだった。どれだけ走者を出そうとも、四球を与えようとも、点さえ与えなければいい。今季162キロをマークした剛腕で打者をねじ伏せ、白星をマークする藤浪の姿を待っているファンは多いはずだ。

【動画】甲子園のスタンドも騒然! 阪神・藤浪晋太郎が自己最速162キロをマークした際の映像

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY