鷹千賀&甲斐がバッテリー賞初受賞 互いを褒めちぎる「根性ある」「全て好き」
2010年の育成ドラフトで入団した同期の2人が初の最優秀バッテリー賞を受賞
「2020プロ野球最優秀バッテリー賞 powerd by DAZN」の表彰式が16日、都内のホテルで開かれ、パ・リーグはソフトバンクの千賀滉大投手-甲斐拓也捕手が初受賞。各選手に賞金100万円と副賞が贈られた。2010年の育成ドラフトで、千賀が4位、甲斐が6位で入団し、同い年の同期として励まし合いながらはい上がっただけに、「以前から2人で『いつか取りたい』と話していました」と感慨深げだった。
10年目を迎えた今季、千賀は登板した全18試合で甲斐とバッテリーを組み、11勝6敗、防御率2.16、149奪三振。最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の3冠に輝いた。過去に受賞したことがなかったのが不思議なくらいの2人だが、千賀は「僕が去年まで、ちょいちょいケガをして離脱していたからです」と頭を下げた。
甲斐は「甲斐キャノン」の異名を取る強肩ばかりが注目されがちだが、ワンバウンドの投球を後ろへ逸らさない、ブロッキングの技術も抜群。千賀は得意の“おばけフォーク”を安心して投げることができる。甲斐は「極意は、体でも喉でも、どこに当ててでもボールを前に止めること」と語った。
プロ入り当初を振り返り、甲斐が「お互い寮生だったが、夜中にウエートルームの灯りがついていて、千賀が1人で汗を流している姿をよく見た。すごいな、と刺激を受けた」と明かせば、千賀は「甲斐はキャッチボールで僕より速い球を投げていて、『マジか!?』と思った。1軍からリハビリで寮に来た先輩が『すごいキャッチャーが入ったらしいな』と話題にしていて、うらやましかった」と語った。その後、千賀は12年4月、甲斐は13年11月に支配下登録を勝ち取り、2人で頂点を極めた。
会見でお互いの好きな所を聞かれると、千賀は「拓也は野球人として根性がある」と語り、甲斐は照れながら「千賀には嫌いな所が見当たらない。全てが好き」と言った。もはや親友以上だ。なお、セ・リーグは中日の大野雄大投手-木下拓哉捕手が初受賞した。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)