日本ハム斎藤が謎のゴーグルトレ「動きが繊細かつダイナミックになる」
都内のジムで自主トレ公開、30歳のシーズンに「結果を出すだけ」
ちょっと異質な光景だった。1月24日。都内のトレーニングジムで自主トレを公開したのは、日本ハムの斎藤佑樹投手。トレッドミルを使用したトレーニングや吊るされたチューブを使ってのトレーニングなど、インナーマッスルも使い、股関節や肩周りの強化、可動域の拡大、連動性を高めるメニューをこなしていった。
その中で、集まった報道陣の関心を集めたのが、レンズが発光するゴーグルをかけてのトレーニング、そして投球練習だった。このゴーグル、自主トレを行った「トータルワークアウト」を主宰するトレーナーのケビン山崎氏の知人が興した米国の企業「VIMA」の「REV」という代物。レンズがストロボで発光し、その中でトレーニングや投球練習を行うことで、前頭葉に負荷をかけて集中力を高めることが出来るという。
「試合が終わると疲れているのに寝られないことがあるんですけど、あのゴーグルをつけて練習すると、目があんな感じになるんです。もしかしたら脳のスタミナにも役立つんじゃないかと思いました」と斎藤は言う。様々な間隔でストロボを発光させることができ、視界が限られた状態で動作を行うことで、より慎重に、正確に体が動作をしようとする。それを繰り返すことによって、ゴーグルがない時の動きの精度を高めることに繋がる効果を狙っており、右腕は「視界が限られるので慎重に、集中することになる。そのイメージで投げることで精度が上がる。ゴーグルを外した後も動きが繊細に、かつダイナミックに出来るようになる」という。
この練習方法を斎藤に提案したケビン山崎氏は「これを導入して4ヶ月くらい使っていますが、下半身に粘っこい動きが出てきている。視野が限られた中で動くと、前頭葉の計算処理能力が上がる。精度をあげて、それを保つのが彼のフォーム」と“ゴーグルトレーニング”を取り入れた経緯を説明した。
プロ8年目を迎える2018年。6月6日の誕生日を迎えると、30歳になる。「マックスのスピードを上げるよりも、1試合の中でどう組み立て、どうピッチングをするかを考えた方が現実的」と語った斎藤。今季のテーマを問われると「テーマはシンプルです。結果を出すこと、1勝でも多くすること。まずは開幕1軍、そしてシーズンを通して一生懸命、1試合でも多く投げられるように必死に頑張ります」と答えた。トレーニングの成果は、結果にこそ現れる。斎藤に求められているのは、結果、それしかない。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)