防御率と奪三振数、ホールドポイントの相関性は? データで見る投手分業制

ソフトバンク・森唯斗、ロッテ・益田直也、西武・平良海馬(左から)【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・森唯斗、ロッテ・益田直也、西武・平良海馬(左から)【写真:荒川祐史】

防御率と奪三振の相関関係は2011年から顕著に

 防御率は、投手の能力を語るうえで最もよく用いられる。留意すべき点はあるものの、一定の信頼が置ける指標であることは間違いない。奪三振数もまた、ただそれだけで投手の実力を測ることはできないながら、頻繁に言及されるポピュラーな指標である。

 そして防御率と奪三振数が、合わせて語られることは多くない。防御率の良い投手が奪三振能力に優れているとは限らず、逆も然り。しかし防御率と奪三振を同時に見ていくと、二つの数字には一定以上の相関関係が見られた。近年常識となった投手分業制に関する時代の流れまでも垣間見える結果になった。過去10年のパ・リーグから見ていきたい。

 下記は、2010年以降のパ・リーグで、防御率1位のチームを一覧にしたものだ。奪三振数も記載した。()内が同年の奪三振数のリーグ順位。

パ・リーグの防御率1位チームの奪三振数
パ・リーグの防御率1位チームの奪三振数

 これを見ると、2011年以降の10年間においては、全ての「防御率1位のチーム」が「奪三振数でも3位以内」という成績だった。また、2016年の日本ハムと2018年のオリックスを除く8シーズンで、「防御率1位のチーム」がそのまま「奪三振数1位のチーム」となっている。

 奪三振は、すなわち打球が前に飛ばなかったことを意味する。失策ゼロが現実的ではない以上、三振は失点につながらない最も安全な結果だ。セイバーメトリクスの見地において、奪三振数は投手の能力を評価するうえで大きなウエートを占めるが、その理由もそういった考え方に基づく。奪三振数が多いチームが、投手の安定感を示す防御率の面でも優れた数字を残しているのは、当然の帰結ともいえるだろう。

奪三振王の存在とチーム奪三振数の相関性は…

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