もし9回打ち切りが昨年導入されていたら…熾烈だったセ・リーグ2位争いはどうなった?
昨季は延長10回まで、セ・リーグの延長戦は計34試合だった
日本野球機構(NPB)と12球団は18日、臨時のプロ野球実行委員会を開き、新型コロナウイルス感染拡大を受けた営業時間短縮要請に対応するため、今季は延長戦を行わず9回で打ち切りとし、一部の試合で開始時間を早める方針を固めた。今シーズンを左右するルールとなるが、昨季9回打ち切りなら果たしてどうなっていたのだろうか。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けた昨季も特例で延長10回打ち切りだった。セ・リーグでは昨季34試合で延長戦に突入した。昨季のチーム戦績、延長戦の戦績を見ていきたい。
1.巨人 67勝45敗8分、勝率.598(延長戦9試合:0勝1敗8分)
2.阪神 60勝53敗7分、勝率.531(延長戦10試合:1勝2敗7分)
3.中日 60勝55敗5分、勝率.522(延長戦10試合:3勝2敗5分)
4.DeNA 56勝58敗6分、勝率.491(延長戦6試合:0勝0敗6分)
5.広島 52勝56敗12分、勝率.481(延長戦16試合:2勝2敗12分)
6.ヤクルト 41勝69敗10分、勝率.373(延長戦17試合:4勝3敗10分)
仮に昨季9回打ち切りが導入されていれば……。セ・リーグ各球団の戦績を出した。
1.巨人 67勝44敗9分、勝率.604
2.阪神 59勝51敗10分、勝率.536
3.中日 57勝53敗10分、勝率.518
4.DeNA 56勝58敗6分、勝率.491
5.広島 50勝54敗16分、勝率.481
6.ヤクルト 37勝66敗17分、勝率.359
昨季は巨人が2位・阪神に7.5ゲーム差を付けてリーグ2連覇した。2位の阪神と3位の中日はシーズン最終盤まで熾烈な2位争い。10、11月に中日が20勝12敗と猛追したが、2位・阪神は10、11月18勝13敗で2位を死守した。
新ルールでは投手層の厚いチームがより有利になるとの見方もある。阪神は最多セーブのスアレスら、中日には最優秀中継ぎ投手コンビの祖父江大輔、福敬登と両軍とも救援陣は安定していた。仮に昨シーズン9回打ち切りでも順位の変動は出なかったものの、ともに救援陣を早め早めで投入されれば……。
また、中日のイニング別得失点では8回に64得点85失点。いずれもイニング別ではチーム最多で、試合終盤にゲームが動くことが多かったと言える。たった1イニングとはいえ、今回の9回打ち切りルールはシーズン成績に大きな影響を与えていたに違いない。
(Full-Count編集部)