なぜ利き手とは違う左肘が炎症? 鷹・森唯斗の「化膿性滑液包炎」を専門家が解説
芝浦スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司院長が解説
ソフトバンクは30日、左肘の痛みを訴えていた森唯斗投手が福岡市内の病院を受診し、左肘関節化膿性滑液包炎との診断を受けたと発表した。聞き慣れない診断名で、利き腕とは逆の左腕に発症した故障について、芝浦スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司院長が解説してくれた。
森投手の診断に出てくる滑液包(カツエキホウ)とは、耳慣れないかもしれません。液体で満たされた平らな袋をイメージしてください。肩、かかと、膝、肘などの組織の間にあり、組織の摩擦を減らすクッションのような役割を果たしています。
その滑液包が、何らかの理由で炎症を起こしたのが滑液包炎です。その箇所の使いすぎや痛風、感染症などが原因で起こると言われてますが、多くの原因ははっきりしないことが多いです。
発症のパターンは様々です。アスリートの場合、足や手の指のマメができて、潰れた場合、その箇所が感染してしまうというケースもあります。肘という箇所は他の箇所に比べると少ないですが、炎症が悪化すると、治癒までに長期を要する場合があります。
肘の場合、皮膚の表面が赤く腫れるケースがあります。悪化した場合、腫れが顕著で、皮膚がぶよぶよした状況になることもあります。速やかに皮膚科や整形外科で受診する必要があります。
森投手は1週間の入院という報道がありましたが、治療は安静が基本になります。注射や投薬により炎症を抑えることもあります。一刻も早くマウンドに戻れる日が来ることをお祈りしております。
○新盛淳司(しんもり・じゅんじ)
新浦安しんもり整骨院入船院代表。柔道整復師、鍼灸師。元日本代表の中村俊輔(横浜FC)をセルティック時代から10年以上パーソナルトレーナーとして支えている。関東リーグ・ブリオベッカ浦安のチーフトレーナー。昨年、JR田町駅前にオープンした芝浦スポーツ整骨院・はり治療院の院長も務める。
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https://shibaura-seikotsuin.com/
(Full-Count編集部)