優勝争いを左右する? 史上最多ペースの“引き分け数”が与える影響
1982年には史上最多19分けを記録した中日が優勝
2021年のプロ野球はここまで各球団が40試合強を消化した。新型コロナ禍の中で試合延期などもありながらも、各球団が戦いを進め、5月下旬からは2年ぶりの交流戦がスタートすることになる。
今季は新型コロナウイルスの影響で9回打ち切りとなり、延長戦は行われない。そのため、各球団ともに引き分け数が多くなっている。5月16日にはプロ野球史上初めて4試合が引き分け決着に終わる珍事も発生。ここまで計262試合が行われ、38試合が引き分けで終わっている。
今季はセパ両リーグ共に、この“引き分け”数が優勝争いの行方に影響を与えそうだ。プロ野球の順位数は「勝率」で決まる。勝率は引き分けとなった試合を除いた試合数から勝利した割合で算出するため、引き分けの数が勝率に大きく影響を与える。
実際に、この“引き分け数”が優勝争いの行方を左右したケースもある。1982年のセ・リーグである。この時のプロ野球は延長戦で、3時間を過ぎて新しいイニングには入らない、というルールで行われ、セ・リーグを制した中日は64勝47敗19分け、勝率.577だった。この19引き分けは、プロ野球史上最多引き分け記録だ。