6月の打率は4割超え 球団新人記録の7度目猛打賞、DeNAドラ2牧の“復調要因”とは
5月16日から7番に定着、再び上昇気流に乗った
■西武 8ー3 DeNA(8日・メットライフ)
DeNAのドラフト2位ルーキー・牧秀悟内野手が8日、敵地・メットライフドームでの西武戦に「7番・二塁」で出場し5打数3安打。今季7度目の猛打賞で、1959年に桑田武が記録した球団新人記録にチーム60試合目(59試合出場)にして早くも並んだ。6月に入ってからは打率.407(27打数11安打)と復調著しい。
「状態がいい。コースに逆らわず、牧らしい打撃をしてくれている」と評したのは三浦大輔監督。実際、2回の第1打席は中前打、4回の第2打席は左中間フェンス直撃の二塁打、6回の第3打席は右前打と打ち分けた。この牧が7番、この日も3打数3安打で打撃好調の大和が8番に控えているのだから、DeNA打線は相手にとって息が抜けない。
牧は開幕から、コロナ禍でソト、オースティン不在のチームにあって3番に座り、当初は打撃主要3部門でトップ3に入る数字をマークするなど新人離れした活躍を見せた。得点圏打率の高さを買われ4月18日の巨人戦で5番を任されたあたりから下降線を辿ったが、5月16日から7番に定着。下位に置くと格が違う。打順別の打率は3番が17試合で.388と最も良く、次いで7番の.338(21試合)、6番の.286(2試合)。対照的に5番は.164(16試合)、2番が.154(3試合)となっている。
8日現在、今季打率を.294に上げ、3割復帰が見えてきた。10本塁打と32打点もリーグトップ10以内。新人王を争う阪神・佐藤輝の打率.267、15本塁打41打点と比べても遜色がない。佐藤輝は猛打賞を3度記録している。
もともと中大3年の2019年7月、当時近大の佐藤輝が右肘痛で出場しなかった日米大学野球では、大学日本代表の4番を務めた逸材。昨年のドラフト戦線では、将来性は佐藤輝、しかし完成度は牧の方が上と評価する声もあった。気温の上昇とともに、2人の“出世争い”もヒートアップしそうだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)