「失敗を恐れず思い切って」 楽天2年ぶり7連敗も冷静沈着、石井監督の危機対応能力

楽天・石井一久監督【写真:(C)Rakuten Eagles】
楽天・石井一久監督【写真:(C)Rakuten Eagles】

先取点遠く…湿る打線は今季4度目の零封負け

■西武 2ー0 楽天(22日・メットライフ)

 楽天が22日に敵地メットライフドームで行われた西武戦に0-2で敗れ、2年ぶりの7連敗となった。今季8戦負けなし(6勝2分)だった西武に、ついに敗れ3位に転落。就任1年目の石井一久監督の危機対応能力が問われている。

「みんな勝ちたい気持ちが強いだけに、少し1球1球大事にいき過ぎている気がする。気持ちを切り替えて、失敗を恐れずに思い切ってやってもらえればいいと思う」。石井監督は淡々と振り返った。

 先発投手の岸は7回まで失点を愛斗の2ランのみに抑えたが、打線の援護がない。西武先発・松本の速球主体の投球に押し込まれ、8回まで散発3安打。9回に登場した平良には「35試合連続無失点」のパ・リーグ記録樹立を許した。現在、チーム打率はリーグ5位の.240。打線は元気なく今季4度目の零封負けである。

 先制点を取れたのは、11日の阪神戦が最後。「投手が踏ん張っている間に先制点を取れればいいが、なかなかそうはいかない。今日も早めにバントなどで得点圏に送ったが、その後がうまく進まない」と石井監督。両軍無得点の3回、先頭の銀次が右前打で出塁すると、続く太田にバントで送らせたが、小深田、鈴木大が倒れた。

 2点を追う6回には、無死一塁から鈴木が一塁線を襲う痛烈なライナーを放ったが、山川にダイビングキャッチされ、一転併殺。指揮官は「あの当たりが抜けていればと“タラレバ”を発動してしまうが、僕的にはこういう時期もあると思う」と語った。

「なんとなく大事に野球をやり過ぎている。こういう時期だからこそ、背中を押してあげられたらと思います」。7連敗は、平石洋介監督(現ソフトバンク打撃コーチ)の下で2019年に10連敗して以来。石井監督は語気を強めて鼓舞するわけでも、選手を批判するわけでもなく、あくまで冷静に受け止めた。チームの悪循環をどう断ち切るか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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