セ最多貯金「14」の阪神がなぜ3位転落? 3強のゲーム差に「マイナス」が生じたワケ

阪神・矢野燿大監督【写真:荒川祐史】
阪神・矢野燿大監督【写真:荒川祐史】

阪神が貯金最多も、引き分け数の多い巨人&ヤクルトが勝率で上回る

 大混戦のセ・リーグ首位争い。29日に巨人が4月1日以来の首位に立ち、2位にヤクルト、阪神は4月4日以来守ってきた首位の座を明け渡して3位に転落した。ここで注目されているのが3チームのゲーム差。巨人と阪神の差は「マイナス0.5」という聞き慣れない展開に。なぜこんな珍現象が起きたのか。

 プロ野球の順位争いは勝率の高いチームが上位になる。勝率は勝利数÷(勝利数+敗戦数)で表され、引き分けは含まれない。極端な例で言えば、1勝0敗142引き分け(勝率1.000)のチームと、117勝1敗25引き分け(勝率.992)のチームでは前者が上位になる(今季は143試合制でリーグ内の対戦は25試合総当たり)。ここまでの3チームの成績は以下の通り。

○巨人:99試合、50勝37敗12分け、勝率.575
○ヤクルト:93試合、47勝35敗11分け、勝率.5731
○阪神:99試合55勝41敗3分け、勝率.5729

 ゲーム差とは勝利数と敗戦数の差を2で割った数字で、上位と下位がどれだけ離れているかを表す目安になる。巨人とヤクルトのゲーム差を表す場合は、巨人の貯金「13」からヤクルトの貯金「12」を引いた数「1」を2で割り、0.5となる。

 阪神の貯金は29日時点で「14」。巨人よりも1つ、ヤクルトよりも2つ多い。しかし、勝率で下回るため3位に。ゲーム差は巨人に対して「マイナス0.5」、ヤクルトに対して「マイナス1.0」となる。

 このような珍現象は、引き分け数や消化試合数が大きく異なる場合に起きる。今季は新型コロナウイルス感染拡大を受けた営業時間短縮要請に対応するため、延長戦を行わず9回打ち切りで実施。どの球団も引き分け数が増え、既に巨人は12、ヤクルトは11となっている。ところが阪神はリーグ最少の3。この差がマイナスゲーム差という「逆転現象」を生んだ。

(Full-Count編集部)

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