なぜ無人の三塁へ牽制? わざとボークする右腕の“奇策”に米騒然「初めて見た」
走者二塁を嫌っての行動、三塁に進めてしまったほうがまし?
■レイズ 11ー10 Rソックス(日本時間7日・ボストン)
わざとボークを犯し、走者に塁を与えるという珍プレーを想像できるだろうか。6日(日本時間7日)にボストンで行われたレッドソックスとレイズの一戦で、驚きの場面が見られた。
大リーグでは今季から延長戦をタイブレーク制のもとで行っており、レッドソックスが2点を追う10回の攻撃も無死二塁からスタートした。ここでレイズのコリン・マクヒュー投手は投手板を踏んだまま、三塁方向へ牽制のふりをしてボークの判定を受けた。二走のジョナサン・アラウスは三塁へと進んだ。
あまりに奇妙な場面に、長年野球を見続ける記者たちが次々に反応した。米経済誌「フォーブス」のモウリー・ブラウン記者は「20年野球の取材をしているが、意図的なボークを目撃するのは初だ」と自身のツイッターで呟き、米スポーツ専門局「ESPN」のジェフ・パッサン記者は「レイズが故意にボークをし、走者を二塁から三塁に進ませたことを疑問に思っている人たちへ(メジャーリーグの)チームは二塁走者がサイン盗みをして打者に伝達しているという深刻な被害妄想を抱えている」とした。二塁走者の球種伝達を恐れての行為だと言うのだ。
この走者は直後にホセ・イグレシアスの右前打で生還したものの、試合はこの回1点しか奪えなかったレッドソックスを、レイズが下した。奇策“わざとボーク”の効果は果たして、あったのか、なかったのか……。