米同時多発テロから20年 追悼試合で2発のジャッジ「これは野球にとどまらない」
当時メッツ主砲のマイク・ピアザは「ニューヨークの街を癒す」本塁打を放った
■ヤンキース 8ー7 メッツ(日本時間12日・ニューヨーク)
2001年9月11日に何が起きたのか、当時を生きた人なら忘れられない日だろう。米国でイスラム過激派テロ組織が同時多発テロを起こし、ハイジャックされた航空機がニューヨークの世界貿易センタービルに激突、多数の犠牲者に世界中が悲しみに暮れた。
悪夢のような事件から20年が経ち、大リーグでも11日(日本時間12日)は各球場で犠牲者を弔い、警察や消防など当時、真っ先に救助のために働いた人々に感謝を捧げた。とりわけ、ニューヨーク・シティフィールドで行われたヤンキースとメッツの一戦“サブウェイシリーズ”では大掛かりなセレモニーが行われた。MLB公式サイトが「メッツとヤンキースが“一つに結束したニューヨーク”として9.11に敬意を払う」と題した記事などで伝えている。
当時ニューヨークでの大リーグの試合は、テロの恐怖がぬぐえない中9月21日に再開され、メッツ-ブレーブス戦でメッツの捕手だったマイク・ピアザ氏は本塁打を放った。この日のセレモニーは、いまだに多くの人が「ニューヨークの街を癒すうえで支えになった」と評するこの本塁打についての短いドキュメンタリーとともに進行した。
記事によれば、ピアザ氏は「時間には治癒効果があると聞いたことはあるが、私の場合、毎年この日がやってくると、振り返るのが苦しい。当時のイメージは、私や多くの人の心の中に間違いなく、今でも鮮明に残っている。この日に敬意を払い続けるのは素晴らしいことだと思う」とコメント。「メッツファンが私の打ったホームランを覚えてくれているのは、幸運なこと」と続けた。
式典は2001年当時ヤンキース監督だったジョー・トーリ氏、メッツ監督だったボビー・バレンタイン氏(元ロッテ監督)の始球式で締めくくられた。その後行われた試合は、ヤンキースが8-7で勝利。2本塁打したアーロン・ジャッジ外野手は「僕にとってかけがえのないこと。これは単に野球の1試合だけにとどまらない。僕はカリフォルニア育ちだけど、心と魂はニューヨークにある」と神妙なコメントを残している。
(Full-Count編集部)