戦力外通告でも諦めるのはまだ早い… 昨季チームを去っても復活した“不死鳥”たち
阪神・加治屋は開幕戦で勝利投手に、DeNA・宮國は巨人戦で移籍後初白星
ドラフト会議まで残り1か月を切り、悲喜交々の季節がやってくる。新たにプロへの切符を手にする選手がいれば、非情通告を受けてNPBの世界から身を引く選手も。そんな中、昨季限りで所属球団を去りながらも諦めずに再び新天地を勝ち取り、躍動している選手もいる。
強烈なインパクトを残したのは、8月にロッテ入りした小窪哲也内野手。昨季まで広島で13年間プレーし、705試合に出場。球団から指導者転身を打診されたが、現役続行を決断。NPB復帰を目指し、九州アジアリーグの火の国サラマンダーズに所属していた。迎えた今季、8月31日にロッテ入りが発表されると、9月9日のオリックス戦で昇格後初スタメン。7回に移籍後初アーチを放ち、新天地デビューを飾った。
また、DeNAの宮國椋丞投手も、輝きを取り戻したひとりだ。2010年のドラフト2位で沖縄・糸満高から巨人に入団。2013年には開幕投手を任されるなど活躍したが、昨季は21試合に登板して防御率5.33で、巨人を戦力外に。今年3月にDeNAと育成契約を結ぶと、2軍で20試合登板、4勝3敗1セーブ、防御率4.85の成績を残し、8月30日に支配下契約。9月7日に古巣・巨人戦で昇格後初先発を果たし、5回7安打2失点。2017年7月12日のヤクルト戦以来、1518日ぶりの勝利を手にした。
昨季ソフトバンクから戦力外通告を受け、阪神入りした加治屋蓮投手も、開幕戦のヤクルト戦でリリーフとして登板し、移籍後初勝利。さらにDeNAの風張蓮投手も、昨季限りでヤクルトを戦力外通告になったが、合同トライアウトでDeNAと支配下契約。今季はここまで5試合に登板している。
戦力外からNPB球団に“再就職”すること自体難しいが、新天地で懸命に存在感を示す不死鳥たち。過去には、2度も戦力外になりながら中日、阪神、西武と渡り歩いた森越祐人らのようなケースも。プロ人生の岐路に立った選手たちは、諦めないことの大切さを体現している。
(Full-Count編集部)