貧打の中日は大砲補強しなくて大丈夫? 125本塁打に必要な“上乗せ”を計算してみた

中日・石川昂弥、ビシエド、高橋周平(左から)【写真:荒川祐史】
中日・石川昂弥、ビシエド、高橋周平(左から)【写真:荒川祐史】

2021年は12球団ワーストの「69本塁打」…ここまで大砲補強なし

 立浪和義監督が就任した中日は、“大砲不在”の状況が続いている。11日に来日した4番のダヤン・ビシエドも昨季は17本塁打どまり。12球団ワーストの“一発欠乏症”を解消するには、現有戦力の覚醒が欠かせない。期待される“候補者”たちは多い中、2022年シーズンのアーチは増えるのだろうか。

 昨季のチーム本塁打数は69本。12球団最多の169本を放った巨人とは実に100も差がある。他の11球団の平均は約125本。投手有利の広いバンテリンドームが本拠地とはいえ、試合を決める可能性もある一発は、多いに越したことはない。今季125本打つとなると、約55本の上乗せが必要になる。

 まず期待したいのは、ビシエドの“底上げ”。直近3年間は20本を下回ったが、来日3年目の2018年には26本をマーク。立浪監督もその可能性は見出しているようで、助っ人の打撃に適切なメスが入れば、25~30本も現実味を帯びてくる。

 ほかのレギュラー陣では、高橋周平も量産するポテンシャルは十分にある。2018年の11本がキャリア最多で、以降の3年間は7、7、5。すっかり中距離打者のイメージがついたが、もとは大砲候補として期待されていた身。今季から1軍打撃コーチに就任した森野将彦氏もかつて「普通に20発は打てるものは持っている」と見ていた。

 パンチ力がある阿部寿樹も、シーズンを通してレギュラーを全うできれば2桁以上は無理な数字ではない。昨秋のキャンプでは外野にも挑戦。外野に転向して大砲として開眼した球団OBの和田一浩氏のような青写真を描きたい。さらに34歳シーズンを迎えた福田永将も、過去2シーズンで18本塁打をマークした実績があるだけに、再起できるかが鍵になる。

 そして、なにより欠かせないのが新たな戦力の登場。筆頭として注目されているのが、3年目を迎えた石川昂弥。チーム屈指の長打力は先輩選手たちも一目置いており、昨秋のキャンプでは中村紀洋打撃コーチが熱心に指導。きっかけひとつでブレークする予感を秘めている。長打力でいえば、プロ6年目の石垣雅海やドラフト1位のブライト健太、2位の鵜飼航丞らも候補者としてあがる。

 本拠地の存在もあって貧打のイメージが強い中日だが、落合博満監督時代の黄金期には140発を放ったシーズンも。“守り勝つ”にしても、得点は最前提。今季もリーグ屈指の投手陣を堅持することができれば、アーチ増で順位も大きく変わってくる。

【一覧表】中日がシーズン125本塁打放つには? 各選手に必要な“上乗せ本数”を計算

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