元日本ハム中村勝「NPBでやってみたい」 メキシコから“逆輸入”、3年ぶり復帰なるか
元日本ハム中村勝はメキシコで最優秀投手に「日本時代の一番いい時より良い」
元日本ハムの中村勝投手は3年ぶりのNPB復帰を目指し、今も地元・埼玉県内で調整を続けている。このほどFull-Count編集部の取材に応じ、元ヤクルトの野口寿浩氏に投じたブルペンでは最速140キロと力の入った投球を披露。昨季メキシカンリーグで最優秀投手に輝いた右腕は、異国で学んだことや、NPB復帰への思いなどを語った。
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もう1度、NPBのマウンドへ。中村はメキシコで掴んだ確かな自信とNPB復帰への思いを打ち明けた。
「投げている感覚は日本時代の一番いい時より良いと感じています。ストレートのスピード平均も速くなっていますし、最速も速くなっています。感覚はすごくいいです。日本で自分を試したい気持ちはずっとある。もし、そういうお話をいただけるなら」
日本ハム時代の2017年7月に右肘のトミー・ジョン手術。18年に復帰したものの、19年は1軍1登板に終わって同年オフに戦力外通告を受けた。20年は豪州で現役続行。21年はメキシカンリーグに挑戦して、9試合登板して8勝0敗、防御率3.25。最多勝と最高勝率のタイトルを獲得し、最優秀投手にも選出された。
「2年前は『NPBに戻りたい』という気持ちはそこまでなく、野球を続けられればと思っていました。その中で段々と良くなってきて、昨年はメキシコですごくいい成績を出せた。この感覚でNPBでやってみたいと思うようになってきました」
投球自体も日本時代から進化した。直球は豪州リーグ、メキシカンリーグで自己最速148キロを計測。日本時代は大きなカーブ、フォークを武器にしていたが、「なんとか速い変化球を取り入れたかった」。カットボールと、日本ハム時代の同僚だったメンドーサから学んだという速いパワーカーブを習得した。
「感覚としては日本時代と別物です。ストレートの感覚が良くなってきて、だんだん速い変化球がキレるようになってきました。変化球のコントロールも安定してきました」
2009年ドラフト1位で春日部共栄高から日本ハム入り。かつて“埼玉のダルビッシュ”と呼ばれた男は、昨年12月11日に30歳になった。現在は海外球団と契約合意間近となっているものの、シーズン中にNPB球団からオファーがあれば、それに応えることができるという。現役続行への思いは熱い。
「今、野球をやっているのがすごく楽しいですし、新しい発見もある。まだまだやりたい気持ちでいます」
新型コロナウイルスの影響による外国人の新規入国停止措置が続いているため、各球団とも新外国人選手が来日できていない。豪州、メキシコ経由の逆輸入右腕としてNPBでチャンスを掴めるか注目だ。