18イニングで先頭出塁が4度だけ 鷹・藤本監督が若手野手に求める「内容の良い凡打」

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:藤浦一都】

「四球で出てもいいし、それが評価につながる」

 ソフトバンクは20日、今キャンプ5度目の紅白戦を行った。千賀や石川ら主力投手陣が今季初めての実戦登板を果たす一方で、藤本博史監督は「イニングの先頭がもっと出塁しないと」と、アピールの足りない若手野手陣に注文を付けた。

 キャンプで初めて9イニング制で実施されたこの日の紅白戦。両軍合わせて18度の攻撃がありながらも、先頭打者が出塁したのは、わずか4回だけ。うち3回は牧原大、柳田、松田の主力クラスで、あとの1回は柳町だった。指揮官は「イニングの先頭打者が4回しか出ていない。ヘッドとどんどん作戦を出していこうと話していたのに、拓也のバントしか出せなかった」と嘆いた。

 藤本監督が掲げるのは「取れるところで1点をしっかり取る」野球だ。バントやエンドランといった作戦も用いて、手堅く点を取ることを想定する。ただ、さまざまな作戦を講じるにも、やはり先頭打者の出塁が大事。「イニングの先頭がもっと出塁することが大事。四球で出てもいいし、それが評価につながる」と求めた。

 このキャンプでは「競争」をテーマに掲げ、若手の台頭を望んでいるソフトバンク。競争を勝ち抜くためにはもちろん“結果”が必要となるが、指揮官の求める“結果”は単にヒットを打つ、ホームランを打つといった目に見える“結果”に限らない。

「内容の良い凡打を考えてほしい。四球で塁に出てもいいし、それは評価につながる。ヒット、二塁打は最高だけど、追い込まれてから粘ってもいい」。目に見える結果を追い求める挙句、内容の薄い凡打に終わっていては、指揮官からは評価されない。どれだけ“内容”が伴った打席を積み重ねるか。新生ソフトバンクの競争を勝ち抜くポイントは、ここにあるようだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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