「あれでも詰まっていた」と三浦監督も仰天 “メジャー級パワー”DeNA細川に覚醒予感
「スーパースターになれる」とオースティンが評する逸材
■DeNA 9ー1 広島(オープン戦・2日・横浜)
覚醒のシーズンとなるだろうか。DeNAの細川成也外野手が2日、本拠地・横浜スタジアムで行われた広島とのオープン戦に途中出場。6回無死一、三塁でバックスクリーン左へ特大の3ランを放った。このメジャー級のパワーこそ最大の魅力だ。
「あれでも詰まっていたんじゃないですか?」。試合後、あきれたように話したのは三浦大輔監督だった。カウント0-2から、広島の左腕・玉村が投じた143キロの真ん中高めの速球を一閃。指揮官は「ああいう場面で長打を求められる打者なので、結果が出たことは非常に良かった」と秘蔵っ子の成長に目を細める。細川本人も「バッティングカウントで甘く入ってきた球を上手く捉えることができて良かった」と自画自賛した。
2020年は、当時2軍監督を務めていた三浦監督にほぼ全試合で4番に起用され、13本塁打53打点、出塁率.448。イースタン・リーグの3冠に輝いた。三浦監督が1軍で指揮を執った昨年、満を持して自身初の開幕1軍を勝ち取ったまでは良かったが、壁にぶち当たる。代打で結果を出せず、開幕から11打席ノーヒットで2軍落ち。その後も1、2軍の行き来を繰り返した。1軍では計39打数6安打、打率.154、0本塁打1打点という寂しい数字に終わった。
そんな細川に手を差し伸べたのが、メジャー通算33本塁打の実績を持つ同僚のオースティンだった。昨年11月、米カリフォルニア州の施設に招かれ、ソトも加わって合同トレーニング。オースティンが師事する現地のコーチからも指導を受けた。細川としても、球団の了承を取り付けた上でチームの秋季練習に参加せず渡米したもので、不退転の決意がにじんでいた。
オースティンは高卒6年目を迎えた23歳の細川を「スーパースターになれるポテンシャルを持っている」と評する。DeNAの外野陣はオースティン、桑原、佐野が定位置を固めている上、日本ハムから大田も加入。レギュラーとなるのは容易ではないが、打破できる潜在能力が細川にはある。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)