痛恨失策にベンチで涙 初開幕スタメンも…失意のDeNA23歳に三浦監督の“親心”
「6番・一塁」でスタメンも…先制につながる後逸
■広島 11ー3 DeNA(25日・横浜)
DeNAの知野直人内野手が25日、広島との開幕戦に「6番・一塁」で先発。プロ4年目で初めて掴んだ開幕スタメンの座だったが、先制につながる失策を犯すなど悔しい結果に終わり、試合後にはベンチで涙を流した。三浦大輔監督は「やり返さないといけない。ズルズルいくようではファームに戻るだけですから」と奮起を促した。
2回、先頭の松山の打球を後逸。続く坂倉の一、二塁間の打球に飛びつくも、無情にも右前へ抜けた(記録は右安)。初回はわずか6球で三者凡退と最高のスタートを切っていた先発の東だったが、これを機にこの回3点を失った。知野はその後も記録に残らないミスが続いた。7回の第3打席にヘッドスライディングで内野ゴロをもぎ取り意地を見せたが、試合後は敗戦の悔しさが押し寄せたのだろう。仲間が引き揚げていくベンチで、23歳は涙をこらえることができなかった。
三浦監督は「緊張していたのかあのエラーがね。あの後引きずっていたのか、いいところじゃなくて悪いところが出たかなと」と振り返ると、こう言った。「引きずらずに思い切ってやってほしい。いいものを持っていますし、良くなってきている。そうしないといけないです。ズルズルいくようではファームに戻るだけですから」。
一塁大本命だったソトが開幕2軍になったとはいえ、実力でつかみ取ったポジションだ。オープン戦では16試合に出場して打率.289、0本塁打3打点。内野どこでも守れるユーティリティプレーヤーとして猛アピールし、指揮官の心を射止めた。期待が大きいからこそ、この1試合を糧にすることを願っている。
昨季はコロナ禍で外国人が全員開幕に間に合わず、開幕6連敗と最下位に低迷する原因となった。今季は故障でソトとオースティンを欠き、純国産打線となったが、同じ轍を踏むわけにはいかない。「結果は受け止めて、また明日勝てば(勝率)5分に戻すわけですから。やり返すしかないです。明日です」と繰り返した番長。“横浜反撃”のためにも、引きずるわけにはいかない。
(町田利衣 / Rie Machida)