大谷翔平のスライダーは50センチ動く データが示す“ホームベース超え”変化量
アストロズ戦で威力を発揮した大谷のスライダー
■エンゼルス 6ー0 アストロズ(日本時間21日・ヒューストン)
20日(日本時間21日)に行われた敵地でのアストロズ戦で今季初勝利をマークしたエンゼルスの大谷翔平投手。6回途中までアストロズ打線を相手に1人の走者も出さない完全投球を展開し、6回1安打無失点の好投でチームに勝利をもたらした。
大谷は初回、左翼フェンス直撃の2点二塁打を放つなど自らを援護。マウンドでは、初回にいきなり2つの三振を奪った。3回無死からは6者連続三振。6回までに先発全員三振の12三振を奪って自身最多タイに並んだ。6回1死から元チームメートのカストロに安打を浴びてパーフェクトは途切れたものの、見事な投球でピンチらしいピンチもなかった。
この日、大きな威力を発揮したのが大きく滑り曲がるスライダーだった。81球を投げ、そのうち実に35球がスライダー。投球に占める割合は43%に上った。通常、スライダーは30%ほどの割合で、この日の投球はデータが示す通り、スライダーが軸となっていた。
「どういうプランで、というのは決めていましたけど、それは徐々に変わっていくものなので。あくまでゲームの中で自分が感じたように、相手が何が一番打てないかを考えて投げました」と振り返った大谷。試合で投げる中でスライダーの状態の良さを感じ、軸に据えたのだろう。
この日、大谷が投じたスライダーで最も変化したのは6回にペーニャに投じた6球目。MLB公式のデータサイト「Baseball Savant」によると、水平方向に20インチ(約50.8センチ)変化したと示されている。また、18インチ(約45.7センチ)以上変化したボールも9球に上り、安定して高い変化量を誇っていたことが分かるデータになっている。
マスクを被ったスタッシーが「これまで見た中で最高レベルだったよ。全ての球種がスーパーシャープで、試合を通してかなり集中していた。アメージングだった。非常にいい登板だった」と絶賛したこの日の大谷の投球。ホームベースの幅以上に曲がるスライダーを武器に、三振の山を積み上げていった。
(Full-Count編集部)