打率1割台でも得点圏は4割の不思議 オリ紅林、プロ初サヨナラ打を生んだ“勝負強さ”

自身プロ初のサヨナラ安打を放ったオリックス・紅林弘太郎【画像:パーソル パ・リーグTV】
自身プロ初のサヨナラ安打を放ったオリックス・紅林弘太郎【画像:パーソル パ・リーグTV】

延長11回2死二塁の場面で守護神・モイネロから左前へサヨナラ打

■オリックス 3ー2 ソフトバンク(21日・京セラドーム)

 オリックスの紅林弘太郎内野手が21日、本拠地でのソフトバンク戦でプロ入り初のサヨナラ打を放った。チームも延長11回、3-2で今季初のサヨナラ勝ち。打率1割台の男がなぜ、絶対的守護神を粉砕することができたのか?

 敗戦濃厚の状況から猛牛戦士が意地を見せた。2点を追う9回は、ここまで完璧に抑えられていた相手エース・千賀から先頭の代打・野口が遊撃内野安打で出塁。さらに福田の中前打に犠打と四球で1死満塁の好機を作り、吉田正が右前へ同点に追いつく2点タイムリー。さらに延長11回には守護神・モイネロから2死二塁のチャンスを作ると、紅林が左前へサヨナラ打を放ち試合を決めた。

 昨季は10本塁打を放つなど、遊撃のレギュラーを獲得した紅林。今季はここまで20試合に出場し打率.194、0本塁打3打点と結果は出ていないが、得点圏打率は.400(10打数4安打)と勝負強さを発揮している。

 この日も絶対的守護神と対峙しても「どの球も一級品。全部を狙っても打てないので、まっすぐ系を狙って打ちにいった」と冷静に分析し、狙い球を定めていた。まだまだ、本調子とはいえないが「四球が取れていて、去年よりボール球を振っていない。まだ率は3割は打てないですが得点圏で集中力を持って結果を残せたらいいなと思う」と自己分析している。

 試合を決めた瞬間はナインから手荒い祝福を受けると、中嶋監督からは“愛の蹴り”をもらった。守備で悪送球、9回の好機では走塁ミスもあっただけに「また今からも怒られると思います」と苦笑いを浮かべていた。

 それでも「3番・遊撃」として起用されるのは期待の現れ。高卒3年目、将来のスター候補は着実に一歩ずつ成長していく。

【動画】出迎えた中島監督から“愛の喝”も オリ紅林の劇的サヨナラ打

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