広島Aクラスの要因は開幕ローテーション“厳守” 1か月で起用した先発は6人だけ
12球団で唯一、開幕の6人で1か月ローテーションを回し切った
プロ野球は開幕から1か月が過ぎ、各球団の戦い方も少しずつ見えてきた。新型コロナウイルスの感染で主力が離脱を余儀なくされているチームもあるが、開幕から唯一先発ローテを崩さず6人で回せているのが広島だ。開幕前の下馬評を覆し、現在はリーグ3位につけるなど奮闘している。
開幕投手を務めた大瀬良大地を筆頭に「表ローテ」は森下暢仁、遠藤淳志の3人。「裏ローテ」は昨年13勝をマークし最多勝に輝いた九里亜蓮、左腕の床田寛樹、高卒3年目の玉村昇悟で形成した。
昨季まで3年連続Bクラスに低迷、さらに主砲の鈴木誠也がメジャー移籍するなど開幕前の評価は低かった。それでも、開幕からDeNA、阪神を相手に6連勝。4月1日からの中日3連戦で3連敗を喫したが大きな連敗もなく3、4月は16勝12敗で乗り切りった。
後半は中継ぎ陣が打ち込まれる場面もあったが、チーム防御率はリーグトップの3.15をマーク。打線はリーグワーストの10本塁打ながら、繋がりある打線でチーム打率.251と奮闘しているが、先発陣が安定した投球で試合を作っていることがAクラスに留まっている一つの要因だろう。
開幕ローテの6人目で5月1日の中日戦では3回2失点で初黒星を喫した玉村が2日に抹消。今後はローテ再編となるが、ここまでの奮闘ぶりは見事といえる。
ちなみに、ここまで最も多く先発投手が登板しているのは阪神と日本ハムの11人。阪神はコロナ感染で開幕投手に決まっていた青柳が離脱、その後も藤浪、伊藤、右肘の張りで2軍調整中となった小川ら苦しい投手事情が続いている。日本ハムは新庄監督が開幕投手にルーキー・北山を抜擢するなど斬新な起用法もあり、多数の先発投手が生まれている。