大谷ルールは「まずい考えだった」 発案者の敵将が漏らした本音に報道陣爆笑
ボストンで二刀流披露に感銘受ける「本当に特別な才能」
■エンゼルス ー レイズ(日本時間10日・アナハイム)
レイズのケビン・キャッシュ監督が9日(日本時間10日)、先発投手が降板後もDHとして打席に残れるいわゆる「大谷ルール」について「まずい考えだったよ」と本音を披露した。昨年の球宴でア・リーグの指揮をとり、ルール導入への道筋をつけたいわば張本人。大谷を抑えなければならない相手チームの監督となると、また立場が別だ。
キャッシュ監督は昨夏の球宴で大谷を「1番・DH兼投手」で起用し、エンゼルスのマドン監督やMLB機構とも相談のうえで、先発投手としての降板後もDHとしてラインアップに残せるようにした。エンゼルス戦の試合前に「ああ、私からすればまずい考えだったよ、本当に」と冗談とも本音ともつかない言葉を漏らし、報道陣の笑いを誘った。
「当時は誰もが、そうすることが野球にとっていいと思った。彼は球界の話題の的だった。当然だよ。MVPだったし、オールスターに来ていたファンには、彼が投打でプレーするのを見たいと思う人がたくさんいた。だから許可されてよかった」
ただ、大谷と当たるチームの監督となれば別だ。「(大谷が登板する)水曜には、まずい考えだよね」と再び漏らした。キャッシュ監督は「オープナー」を球界で本格採用するなどアイデアマンとして知られる。大谷の「投打」を止める方法に、頭を巡らせる。
大谷は5日(同6日)のレッドソックス戦、かつてベーブ・ルースが活躍したフェンウェイパークで投打二刀流を披露し話題となった。その意味について「きちんとは分かっていないかもしれない。彼のボストンでの先発の翌日に、ジョー(マドン)のコメントを読んだ。リッチ・ヒルのコメントも。我々は今まで見たことのないものを見ている。5年後に、10年後にまた見るよというような人はいないだろう。だから我々は彼のしていることを正しく評価する必要がある。本当に特別な才能を持った選手だ」。大谷が歩く特別な道をほめちぎった。
エンゼルス打線にはこの日も、2番からトラウト、大谷、レンドンと強打者が並ぶ。キャッシュ監督は「こちらとしては試練だ。どのチームも2~4番は最も才能のある選手を置いているから、毎晩試練だ。エンゼルスの2~4番は球界屈指と言えるが、ア・リーグ東地区のチームも引けを取らない。慎重なピッチングが必要だし、2~4番の前に打つ選手を塁に出さないことが重要だ」と、投手陣に期待をかけていた。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)