5月は驚異の打率.533 “絶好調男”鷹・今宮健太、データに見える打撃の変化

ソフトバンク・今宮健太【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・今宮健太【写真:藤浦一都】

昨季までと比べて大幅に減少している引っ張り方向の打球

 ソフトバンクの今宮健太内野手が絶好調だ。ここまで35試合に出場してリーグ2位の打率.360をマーク。5月に限れば、8試合で30打数16安打の打率.533、出塁率.600と驚異的な数字をマークしており、ここ3試合では10打数8安打の打率.800、現在は8打席連続出塁中、5打数連続安打中となっている。

 開幕前はレギュラーの座を争う立場だったはずの今宮。ところが、シーズンが始まってみれば、課題とされた打撃面で覚醒の予感を漂わせている。一体、今宮のどこが変化したのか。セイバーメトリクスの指標などで分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照に、紐解いてみたい。

 今季の今宮を分析してみると、これまでと明らかに変化を見せている指標がある。その1つが打球方向だ。2016年から4年連続で2桁本塁打を放つなど、小柄ながらパンチ力があるところも魅力だが、打球を引っ張り込む傾向がどうしても強かった。2019年以降、引っ張り方向の打球の割合を示す「pull%」は35%前後を示していたが、今季はそれが23.1%に急落している。

 これにより当然、センター方向と逆方向の打球の割合は上昇。センター方向は2020年は35.3%だったのに対し、今季はここまで44.4%、逆方向の割合も2020年の28.1%に対し、今季は32.4%となっている。しっかりとボールを引きつけて、センターから逆方向を意識した打撃ができていることが分かる。

 今年、今宮はキャンプ中から打撃フォームの改造を行ってきた。大振りになっていたスイングを矯正。テークバックからミートポイントまで体の近くをバットが通り、最短距離で出るように取り組んできた。その効果か、ボールをバットに当てるコンタクト率も上昇。スイング全体でのコンタクト率を表す「Contact%」は昨季の83.0%から88.8%に、またゾーン外のボールへのコンタクト率を示す「O-Contact%」は昨季の67.6%から84.3%まで上昇している。

 12球団でもダントツのチーム打率.275をマークするソフトバンク打線。その中でも大きな役割を果たしているのが、この今宮の存在だ。7連勝中のソフトバンク。“絶好調男”今宮のバットに注目だ。

(Full-Count編集部)

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