4回でエース千賀と正捕手の甲斐を交代 藤本監督が求める“大黒柱”としての存在感
試合前のブルペンから真っ直ぐの不調を感じていた千賀
■ロッテ 8ー1 ソフトバンク(20日・PayPayドーム)
ソフトバンクは20日、本拠地PayPayドームでロッテと対戦し、1-8で敗れた。先発の千賀滉大投手が初回にいきなり2点を失うなど、4回4失点で降板。打線も佐々木朗希投手の前に1点にねじ伏せられると、終盤にはリリーフ陣がさらに失点した。エース対決に敗れて、連勝は2でストップした。
エースの出来が明暗を分ける結果になった。千賀は初回、先頭の高部に初球のストレートを左前に弾き返された。続く中村奨には2球目のカットボールを左翼線へ二塁打。さらにマーティンには四球を与えて無死満塁のピンチを背負った。佐藤都は遊飛に仕留めたものの、レアードに押し出し四球を与えて先制点を献上。岡には初球のカットボールを中犠飛にされた。初回でいきなり重い2点を奪われた。
2回は無失点で凌いだものの、3回は先頭の佐藤都に右前安打、1死で岡に左前安打を許し、2死二、三塁からエチェバリアに左前へ2点適時打。3回までに4点を失うと、4回で降板。千賀とともに、バッテリーを組んだ甲斐拓也もベンチへ下がり、右腕は「野手の皆さん、キャッチャーの拓也に本当に申し訳ない」とコメントした。
なぜ、千賀は序盤からこれほどまでに崩れたのか。藤本博史監督は試合後にこう指摘した。「真っ直ぐを全然投げなかったからね。真っ直ぐが自分の中で来てない、前回のときより思った真っ直ぐが投げられてないっていうので、変化球多めになったっていうことなんですけどね」。試合前の投球練習で、この日はストレートに本来の威力がないと右腕は感じた。そのため真っ直ぐよりも、変化球の比率が増えたと指揮官は感じていた。
藤本監督はこのストレートの不調からカットボールに頼った投球になっていたと指摘。「エースだったら、試合の中で真っ直ぐをどういうふうに生かすとか、その辺はしっかりとやってもらわないといけない。甲斐も真っ直ぐを要求したけど、首を振られたっていうところなので」とも語り、ストレートの大事さを改めて強調した。
千賀とともに5回で甲斐もベンチへ下げて、バッテリーを総取っ替えした指揮官。「真っ直ぐを投げないと、カットもフォークも生きてこない。真っ直ぐが来てないと言っても、そうは簡単に打たれないと思う。そこは自信持っていってもらいたい。その辺はバッテリーでしっかりもう1回ミーティングしてくれっていうことはお願いしておきました」。敗戦の中で感じたエースに求める姿。序盤で重苦しい空気になったのは否めなかった。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)