草野球を経てメジャー初登板 28歳苦労人が描くサクセスストーリー「ただ懸命に努力」
カブスのロス監督「落ち着いていた。非常に感銘を受けた」
■ブルワーズ 7ー6 カブス(日本時間31日・シカゴ・ダブルヘッダー1試合目)
カブスの28歳苦労人がメジャーリーグデビューを果たした。マット・スウォーマー投手は30日(日本時間31日)に本拠地で行われたブルワーズのダブルヘッダー第1試合に先発。勝ち負けはつかず、6回を4失点(自責1)だった。新型コロナウイルス禍でマイナーの試合が実施されなかった2020年に草野球も経験した右腕が大きな一歩を踏み出した。MLB公式サイトが伝えている。
スウォーマーは初回先頭のウォンを空振り三振に仕留める上々の立ち上がり。3回にピーターソン、6回にテーラーに一発を浴びたが、6回を5安打6奪三振4失点にまとめた。自責は1だった。右腕は「アドレナリンがすぐに溢れ出てきた。それを沈めて『これはただの1試合だぞ』と言い聞かせなければいけなかった」と興奮のメジャー初登板を振り返った。
NCAA(全米大学体育協会)のディビジョン2(2部)に属するカッツタウン大学出身のスウォーマーは、2016年ドラフトでカブスから19巡目(全体584位)指名され入団。マイナー3Aでは2019年に51回1/3を投げて防御率5.65。昨年は3Aで89回2/3を投げて同5.22だった。ところが今季は39回で42奪三振、14四球、被安打23、防御率2.08と大きく成績を改善させてメジャー切符を掴んだ。
マイナーの試合が実施されなかった2年前には、草野球の試合で投げて実戦感覚を失わないように努めた。「とにかくプレーできる場所、生きた打者と対戦できるところを探していた。間違いなく別物だったよ」とスウォーマーは当時を振り返る。
そうした苦労を経て上がったメジャーのマウンド。スウォーマーは「5歳の頃からこれを求めていた。(大学)2部に行った男ができたのだから、誰にだって可能性はある。ただ懸命に努力するだけ。そうすれば良いことが起きる」と感慨深げに語った。デビッド・ロス監督も「メジャーデビュー戦の割に本当に落ち着いていた。非常に感銘を受けたよ」と合格点をつけた初登板。サクセスロードの扉を開いた28歳が今後どんな投球を見せるか、注目される。