DeNAは3年、ハムは2年連続受賞者なしの屈辱…「GG賞」からのぞくチームの“穴”

DeNA・三浦大輔監督(左)と日本ハム・新庄剛志監督【写真:中戸川知世、荒川祐史】
DeNA・三浦大輔監督(左)と日本ハム・新庄剛志監督【写真:中戸川知世、荒川祐史】

日本ハムは2020年まで28年連続輩出も…過去2年で守備の名手が続々退団に

 守備の名手に贈られる「第51回三井ゴールデン・グラブ賞」が14日に発表された。ともにリーグ連覇を果たしたオリックスとヤクルトが最多の3部門で受賞した一方で、日本ハムは2年連続、DeNAは3年連続で“無冠”に終わった。ここでは受賞から遠ざかっている2球団の実情を、セイバーメトリクスの指標を使って検証。「守備の課題」について考察する。

 プロ野球のデータ分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)の数値を活用。守備での貢献度を測る指標のひとつである「UZR」を用いた。平均的な選手と比べた時にどれだけ失点を増減させたのかを示す。

 DeNAは、守備位置別では優秀な選手が多い。浜口遥大投手と一塁のネフタリ・ソト内野手が部門別でそれぞれリーグ1位、桑原将志外野手も外野手全体で同3位につけるなど、“個”の守備力では他球団に引けを取らない。

 しかし、牧秀悟内野手が二塁、宮崎敏郎内野手が三塁で、さらには佐野恵太外野手が左翼でリーグ最下位を記録するなど、目に見える“穴”があることもうかがえる。チームのUZRはリーグ5位。全体の底上げが25年ぶりのリーグ優勝を目指す来季に向けての課題となるか。

 日本ハムに目を向けると、かつては守り勝つ「スモールベースボール」でリーグをけん引したイメージを持つファンも多い。実際、2020年までリーグ最長28年連続で受賞者を輩出していた“常連チーム”と言える存在だったが、近年は風向きが変わってきたか。

 ここ2年のうちに、受賞実績のある中田翔内野手(巨人)、西川遥輝外野手(楽天)、大田泰示外野手(DeNA)が相次いで退団。新庄剛志監督のもと、大胆な若返りを図っている途中だった今季は、大きく主力メンバーが変わった中で部門別トップの選手はなし。守備の“柱”と言える存在がいなかったが、チームのUZRはリーグ3位を記録したのは希望と言えるか。

「トライアウト」と銘打って支配下登録の野手を全員1軍公式戦に出場させた今季の経験を生かし、伝統の“守り勝つ野球”を取り戻すことができるのか。このオフからの取り組みが、真価の問われる新庄政権2年目の浮沈を握ると言っても過言ではない。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY