17年目の大砲はわずか1HR、大記録が途切れた左腕も…パ球団最古参が迎えた分岐点

オリックス・T-岡田(左)と西武・栗山巧【写真:荒川祐史】
オリックス・T-岡田(左)と西武・栗山巧【写真:荒川祐史】

6球団のうちソフトバンクだけが中村晃への“交代劇”

 毎年、プロ野球には新人選手が入団し、その分戦力外となり退団する選手が生まれる。メジャーリーグほど移籍が盛んではない日本でも、長年同じ球団でプレーできる選手は希少価値だ。ここではパ・リーグ各球団の「生え抜き最古参」選手をチェックする。2000年代に入団、活躍した選手が、次々と野球人生の曲がり角を迎えているのがわかる。

 6球団の中で、今オフ最古参に“交代劇”があったのがソフトバンクだ。2004年のドラフト4巡目で指名された明石健志内野手が今季19年目を迎えたものの、22試合で打率.167に終わり現役を引退した。

 さらに、17年目だった松田宣浩内野手も退団し巨人入り。来季の生え抜き最古参は、2007年の高校生ドラフト3巡目で入団した中村晃外野手で16年目を迎える。またチームにもっとも古くから在籍するのは、2002年のドラフト自由枠で入団した和田毅投手だが、米球界挑戦の期間があるためこのランキングからは外した。

 今季26年ぶりの日本一となったオリックスは、2005年の高校生ドラフト1巡目で入団したT-岡田内野手が来季18年目を迎える。5年目の2010年に本塁打王に輝いた大砲も、今季は36試合出場でわずか1本塁打。生き残りを賭けたシーズンだ。またT-岡田と同じ2005年の大学・社会人ドラフト希望枠で入団した平野佳寿投手も、和田と同じく米球界に移籍した期間があり、ここからは外した。

 西武の最古参はここしばらく不動だ。2001年のドラフトで2巡目指名された中村剛也内野手と、4巡目の栗山巧外野手のコンビは来季22年目、不惑の40歳を迎える。中村が通算454本塁打、栗山が2086安打という実績は圧倒的。来季もここ一番での起用が予想される。

 2005年に新規参入球団として誕生した楽天の最古参は、2005年の高校生ドラフト3巡目で指名された銀次内野手。入れ替わりの速いチームで来季18年目を迎える。ロッテの最古参は角中勝也外野手。首位打者2度の実績を誇るが、16年目の今季は53試合出場にとどまった。

 日本ハムは、2007年の大学生ドラフト3巡目で指名された宮西尚生投手が最古参。2008年から14年連続で50試合以上に登板してきた鉄腕も、今季は24試合出場で0勝3敗に終わり、大記録が途切れた。さらにオフには左肘の手術。新たな本拠地のマウンドに立ち、チームに貢献することができるだろうか。

【表】一時代を築いた名前が並ぶ…パ各球団の来季「生え抜き最古参」選手

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