若手2人で借金11、田中将大も6連敗…リーグワーストの楽天投手陣に見えた“光と影”

楽天・田中将大【写真:荒川祐史】
楽天・田中将大【写真:荒川祐史】

規定投球回到達、NPB復帰後初完封も…NPB復帰2年目の田中将大

 実績ある顔ぶれが並び、満を持してチーム史上初となる「2年連続Aクラス」に挑んだ楽天。今季序盤は最大「18」の勝ち越しをつくったものの、中盤以降に失速して4位に終わった。リーグワーストのチーム防御率3.47だった投手陣の戦いを振り返る。

 2年ぶりに開幕投手を託され則本昂大投手は、開幕戦で黒星を喫すると、新型コロナウイルス感染で戦線を離れた。それでも復帰後は自身4連勝を飾るなど調子を上げ、6月12日には「通算100勝」「1500投球回」を達成した。しかし夏場以降は低迷。最終盤は何とか立て直し、自身3連勝、さらにはシーズン最終登板を完投勝利で締めくくったが、プレーオフ進出には及ばず。チーム唯一の2桁勝利(自身8度目)に到達したものの、悔しさの残るシーズンとなった。

 日本球界復帰2年目を迎えた田中将大投手は、自身開幕2連勝を飾り、5月3日にはNPB通算1500投球回に到達。5月10日にはNPB復帰後初完封を本拠地で挙げ、球団史上最多の11連勝を呼び込んだ。この試合でチームの貯金は「18」。9年ぶりの日本一への希望が最高潮に達したが、チームから勝ちが遠ざかると同時に、田中将自身も自身ワーストタイに並ぶ6連敗。チームでは唯一の規定投球回に到達したものの、終わってみれば9勝12敗と借金をつくって終わってしまった。

 則本、田中将の他に今季10試合以上に先発登板した投手で、勝ち越しを決めたのは涌井秀章投手と辛島航投手のみ。NPB史上19人目となる全12球団に勝利した岸孝之投手も、昨季を下回る8勝止まり。実績ある先発陣を擁しながら、期待された成績を残せずに終わってしまった。

 特に若手の早川隆久投手(5勝9敗)と瀧中瞭太投手(2勝9敗)は、大きく黒星が上回った。20代の先発ローテが2人という以上に、多くの負け越しをつくってしまったことは目下の課題か。来季からは涌井が中日へ移籍するため、先発ローテの枠がひとつ空く。彼ら2人を筆頭とした若手の台頭に期待したい。

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