西武・源田、長男の誕生で生まれた自覚 “パパ目線”で社会貢献…子ども食堂を訪問

皿を拭く“良き夫”西武・源田壮亮【写真:宮脇広久】
皿を拭く“良き夫”西武・源田壮亮【写真:宮脇広久】

埼玉・所沢市のこども食堂を訪問…20人と交流した

 3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に侍ジャパンの一員として出場することが決まっている西武・源田壮亮内野手が21日、埼玉県所沢市内の子ども食堂を訪問した。昨年1月、妻で元乃木坂46の衛藤美彩さんとの間に第1子の長男が誕生したことをきっかけに始めた社会貢献活動で、昨年から盗塁を決めるごとに2万円を積み立て、合計金額の半分を社会福祉法人埼玉県福祉協議会の「こども食堂・未来応援基金」、残り半分を出身地である大分県の社会福祉法人大分県社会福祉協議会に寄付。昨年は12盗塁をマークし各12万円ずつ、計24万円を寄付した。

「ライオンズの先輩が様々な社会貢献活動をされてきた中で、僕は息子が生まれたことをきっかけに、子どもたちのために何かをしたいと考えて始めました」と源田。この日は所沢市の「コミュニティ広場すずかめ」に設けられた子ども食堂を訪れ、約20人の子どもと一緒に、輪投げ、女児とのままごと、ゴムボールを使ってのキャッチボールなどに興じた。「(ままごとで)レストランのお客さんになるのが楽しかった」と屈託のない笑顔を浮かべた。

 もうすぐ1歳になる長男は「今までは投げる、振り回すといったことしかできませんでしたが、穴にボールを入れたり、物をつかんで移動させるといった遊びができるようになってきました。言葉は、必死に何かを伝えようとしてくれていますが、言葉になるものはまだ少ないですね」という段階だが、もう少し年上の子どもの遊びを“予行演習“した格好。子どもが使用した皿を拭く作業にも加わり、「料理はできませんが、片付けなどは普通に妻と一緒にやります。自信ありますよ」。良きパパであると同時に、家事もこなす良き夫ぶりでもあることを垣間見せた。

 子ども食堂は、子どもや保護者に無料または安価で食事や団らんの場を提供するもので、両親が共働きの子どもの“孤食”解消などに役立っている。埼玉県内だけでも約390か所に設けられている。所有する建物を「コミュニティ広場すずかめ」として提供している鈴木安弘さんは、「源田選手は人格者ですね。子どもたちへの接し方を見ていると、ただの選手でないことがわかります」と感心しきりだった。

 源田は今年以降も、盗塁数に応じた寄付を継続する意向。「ちょうど松井新監督も『チーム全体で走る』方針なので、もっともっと走って、みんなの力になりたい」と決意を新たにした。実際、自打球による右足甲骨折や新型コロナウイルス感染に見舞われた昨年の盗塁数は、例年より少なめで、2021年には倍の24盗塁で盗塁王のタイトルを獲得し、2017年には自己最多の37盗塁を量産した実績がある。今年は大幅増も期待できそうだ。

 一方、WBCでは巨人・坂本勇人内野手が出場を辞退しただけに、源田がショートのレギュラーを担うことになりそう。“スーパーサブ”的な存在だった2021年東京五輪と比べても、格段に重い役割となるだろう。源田も「責任を感じますし、しっかりやってやるぞという気持ちがどんどん湧いてきてきます」と望むところで、「今日ここに来てくれた子どもたちも(WBCで)笑顔にできるように頑張りたい」と付け加えた。西武のキャプテン就任4年目を迎えるだけあって、周囲を包み込むようなムードを醸し、応援したいと思わせる好漢だ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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