体罰で監督解任の東海大菅生が選抜へ 決意の“五厘刈り”は「気持ち揃えるため」
突然の監督交代に渡部主将「チーム力が問われる」
監督の体罰による解任で揺れる東海大菅生(東京)が27日、3月18日に開幕する第95回選抜高校野球大会に2年ぶり5度目の出場を決めた。部員たちは決意の“五厘刈り”で出場決定を見守り、歓声もガッツポーズもなしという異例の光景となった。
部員たちは26日の夜、選手寮の風呂でT字かみそりを使い、全員が頭を剃り込んだのだという。渡部奏楽(そら)内野手(2年)は「昨秋の東京都大会の大会前にも、気持ちをそろえるためにみんなで剃り、結果が出ました。げんを担ぐと言うか、節目の発表を前に剃ろうと、日當(直喜投手=2年)の提案で、みんなで剃りました」と説明した。五厘刈りより短い「ソリン」という部の伝統だという。
チームが揺れる中、渡部主将は「全員で胸を張って一戦一戦を戦い、優勝を目指したいと思います」とキッパリ。コーチから昇格する上田崇・新監督は「選抜大会では東京代表として全力でプレーすることができるように、選手、スタッフが気持ちを1つにして、ワンチームで臨みたい」と語った。
さらに突然の監督交代についても、渡部主将は「このタイミングで、この壁を乗り越えられたら、1つになれる。こういう時こそチーム力が問われると思います」と成長の糧にするつもりでいる。
東海大菅生は26日に文書で、若林弘泰監督を21日付で解任したと発表している。昨年8月の練習試合の際に若林監督が部員のプレーを叱責し、蹴ったという。その後蹴られた部員は12月に転学届を提出し、学校側はこの時点で若林監督に指導の自粛を申し渡した。さらに1月の調査では、別の2人の部員に対して頬を叩く暴力が発覚していた。