WBC初開催から17年、消えゆく各国の“顔” 「至宝」「石直球」も…抗えぬ世代交代

田中将大(左)とフレデリク・セペダ【写真:Getty Images】
田中将大(左)とフレデリク・セペダ【写真:Getty Images】

呉昇桓(韓国)、セペダ(キューバ)、陽岱鋼(台湾)らが代表落選

 今年3月に6年ぶりに開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、新時代への突入を予感させる大会になりそうだ。これまでの4大会では、各国の“顔”と言っても過言ではないスター選手たちが、まだ歴史の浅かった大会をリードしてきた。ところが2006年の第1回大会から17年目を迎える今回は、そのような選手たちが次々に姿を消している。

 第1回大会から第4回大会まで、すべての大会に出場していた選手たちは意外と多い。金泰均(元ロッテ、韓国)、フレデリク・セペダ(元巨人、キューバ)、ミゲル・カブレラ(ベネズエラ)らが代表的なところだ。さらに、前回大会から6年が経ったことで、カルロス・ベルトラン(プエルトリコ)、アレッサンドロ・マエストリ(元オリックス、イタリア)らは、この期間に現役から退く決断を下している。

 まだまだ現役で頑張っている選手たちも、世代交代の波には抗えない。阪神でも守護神を務めた40歳のオ・スンファン(呉昇桓)は、韓国代表の最終ロースター30人に選ばれなかった。東京五輪の3位決定戦では、8回に登板するとヨハン・ミエセス(ドミニカ)に特大弾を許すなど、5失点の大乱調。逆転を許した韓国は銅メダルを逃し、これが代表での最後の姿になるかもしれない。

「キューバの至宝」の異名を持つ42歳のセペダも、30人の枠に入らなかった。2009年の第2回大会では打率.500、3本塁打、10打点の大活躍でベストナインに輝き、メジャー関係者の度肝を抜いた。2014、15年の巨人時代は結果を残せなかったが、その後も母国ではスターであり続けた。1996年のアトランタ五輪からエースを務めていた48歳のロブ・コルデマンス(オランダ)も、すでに判明している14選手の中に名前がない。

 過去の4大会すべてに出場していたわけではないが、カリスマ的な人気の残る選手の落選も目立った。36歳の陽岱鋼(台湾)は第1回、第3回の2大会に出場。2021年限りで巨人を退団し、昨季は米独立リーグ、豪州ウインターリーグと渡り歩いたが、再び代表に戻ることはなかった。楽天の田中将大(日本)も参加を熱望していたが、無念の落選となった。

 一方で、5大会連続の出場に望みをつないでいるレジェンドが、メジャーで3冠王にも輝いたカブレラだ。これまでに3088安打、507本塁打を放ってきたが、22歳で第1回大会に出場するなど、母国を代表してWBCには必ず参加してきた。39歳になった今大会でも、代表入りが内定しているという報道もある。またヤディアー・モリーナ(プエルトリコ)は監督、ネルソン・クルーズ(ドミニカ)はGMに立場を変えて、大会に携わっている。

(Full-Count編集部)

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