大谷翔平、米最速163キロより光る投球術 敵地元紙は唸る「ベテランのよう」
スプリットがイマイチながら、カーブを駆使してタイガース打線を封じる
30日(日本時間31日)の敵地タイガース戦で今季8度目の先発マウンドに上がったエンゼルスの大谷翔平投手。5勝目を目指した登板は、2度の雨天中断の影響もあり5回3安打1失点でマウンドを降りることになった。同点での降板となり、勝敗は付かず。チームは大谷の後を受けたリリーフ陣がつかまり、1-6で敗れた。
不安定な立ち上がりとなり、初回に先制点を奪われた大谷。ただ、2回以降は立ち直り、タイガース打線を見事なまでに抑え込んだ。5回2死二、三塁のピンチでは、メジャー移籍後最速を更新する101.1マイル(約162.7キロ)の真っ直ぐで、キャンデラリオを投ゴロに。今季、メジャーの先発投手が投じた最速のボールで窮地を脱した。
驚異の剛速球で敵地の度肝を抜いた大谷だったが、タイガースが居を構えるデトロイトの地元メディアは、その老獪な投球術に注目。地元紙「デトロイトフリープレス」は「彼はベテランのようだった」とした記事を掲載した。
この日の大谷は確かに本調子とは言えなかった。初回は2つの四球を与えて先制点を献上。2回以降、制球は安定したが、武器であるスプリットはキレ、コントロールともに本来のものとは違った。それでも、この日は真っ直ぐ、スライダーに加えて、緩いカーブを有効に活用した。
タイガース打線に的を絞らせない投球術を目の当たりにし、同紙は「メジャーでルーキーイヤーを送っているオオタニは、水曜の試合でベテランのように球種を織り交ぜていた。直球、スプリット、スライダーという多彩なバリエーションを最大限に活用し、数々のタイガースの打者たちのバットを泳がせ続けた」とした。
記事の中では、若手投手の多くがピンチに直球に頼りがちになることを指摘した上で、大谷に関しては「彼は若手(特有の)感情を表に出す気配も見せなかった」と微塵も動揺の色を見せなかった強靭なメンタルに感服していた。
(Full-Count編集部)