負け越しているけど衰えぬ“数値” 日米200勝へあと10勝…田中将大は今季達成できるか

楽天・田中将大【写真:小林靖】
楽天・田中将大【写真:小林靖】

一昨年は4勝、昨年は9勝も試合を作る能力は健在

 楽天・田中将大投手は30日、エスコンフィールド北海道で行われる日本ハムとの開幕戦に先発する。昨季終了時点で日米通算190勝。昨季9勝したことを考えれば、残り10勝に迫った日米通算200勝の大記録が、今季中に達成される可能性は十分にあるだろう。投手分業が進んだ現代野球で200勝に到達する投手は減少。1990年以降では北別府学氏、工藤公康氏、山本昌氏、野茂英雄氏、黒田博樹氏の5人しかいない。今回は、田中将の球歴、各種の指標、結果球の割合などのデータを紹介。近年では高いハードルとなった200勝達成に期待を寄せたい。

 田中将は駒大苫小牧高校時代に甲子園で優勝投手となり、2006年高校生ドラフトで4球団の競合を経て楽天に入団。1年目の2007年から11勝を挙げ、186回1/3を投げて196奪三振をマークし、新人王に輝いた。2008年は北京五輪による離脱がありながら9勝、3年目の2009年には15勝を挙げて球団初のAクラス入りに貢献した。その後も2桁勝利を続け、2011年には最多勝、最優秀防御率、最優秀投手(現在の最高勝率)、沢村賞に輝いた。2012年には最多奪三振を獲得し、名実ともにリーグを代表する投手となっていった。

 2013年は24勝0敗1セーブ、防御率1.27という圧倒的な数字を記録。2リーグ制後では史上2人目のシーズン勝率10割に加え、最多勝、最優秀防御率、最高勝率、シーズンMVP、沢村賞、正力松太郎賞を受賞。まさに球史に残る伝説的なシーズンを送り、球団初のリーグ優勝と日本一の原動力となった。

 同年オフにポスティングでMLBに挑戦し、ヤンキースに入団。米1年目の2014年は故障離脱がありながら13勝を挙げ、防御率2.77と実力を示した。2015年も怪我に苦しめられたものの12勝をマーク。3年目の2016年はMLBでは自己最多の14勝を挙げ、最終盤まで最優秀防御率のタイトルを争った。その後もヤンキースの主力投手として奮闘し、MLB初年度から6年連続で2桁勝利を記録。全60試合の短縮シーズンとなった2020年に途切れたものの、ポストシーズンでは抜群の勝負強さを発揮した。

 2020年オフに8年ぶりに楽天に復帰。復帰後の2年間はともに規定投球回に到達し、防御率3点台と一定の安定感を示している。打線と噛み合わずに2年連続で負け越し(2021年:4勝9敗、2022年:9勝12敗)ているが、試合を作る能力は健在といえよう。

奪三振率は低下も、抜群の制球力は維持

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