天才打者でも「我慢できない」 タイミング狂わす“魔球”は「振りたくなるから不思議」
ハム鈴木は下手投げから87キロのスローカーブで近藤を空振り三振
■日本ハム 6ー3 ソフトバンク(10日・PayPayドーム)
日本ハムの鈴木健矢投手が、10日にPayPayドームで行われたソフトバンク戦に先発して5回途中2失点で降板した。4回に2点こそ失ったが、アンダースローから変幻自在の投球で3回までは1本の安打も打たれない好投。球界屈指の好打者・近藤健介外野手を87キロの超スローカーブで空振り三振に斬り、ファンを「この緩球は……確かに我慢できないかも」「ギリギリゾーンに入りそうな軌道だから手を出すしかない」とうならせている。
昨春キャンプで下手投げに転向した右腕が、プロ4年目で才能を開花させている。4回、柳田と柳町の適時打で2点を失ったが、これが今季28イニング目で初の自責点だった。今季4勝目とはならなかったが、防御率は0.64を誇る。打者のタイミングをズラす巧みな投球には、強打者の並ぶソフトバンク打線も苦戦。昨季までの同僚で、2度の最高出塁率を誇る近藤ですら思わずバットを出してタイミングを狂わされてしまった。
「パーソル パ・リーグTV」公式YouTubeが映像を公開すると「球の遅さは立派な武器だ」「遅い球でもバッターは打てない時がある」「見逃せばボール球でも、遅いと振りたくなるから不思議よね」「人類最速の約半分の球速って考えるとすげー」「近藤斬り気持ちイイ!!」「アンダースローのスローカーブは打者の視点で見るともっと手元で急激に落ちる感じだと思う」「球速インフレ時代に逆行するようなスタイルは味がある」と称賛の声が上がった。