「投高打低」で異例の事態 パは11年ぶり珍記録の遅ペース…低反発球時代の水準に?
パは8発の西武・中村&オリ・杉本がトップ…年間27発ペース
2023年のプロ野球は各球団が40試合前後を消化。打撃部門ではDeNA宮崎敏郎内野手が驚異の打率.438をマークする一方、昨年3冠王に輝いたヤクルト・村上宗隆内野手が打率.207と“異変”も起きている。本塁打もやや低調で、まだ2桁到達者はおらず、セは9本、パは8本がトップ。現状のペースであれば、パは11年ぶりに20本台の本塁打王が誕生する。
本塁打王レースは、セは宮崎が9本塁打でトップ。年間34本ペースでアーチをかけている今季絶好調の34歳は打率、さらに出塁率(.522)でもリーグ1位だ。打点も25で、1位のDeNA・牧秀悟と2差。3冠王も夢ではない位置にいる。
リーグトップの7本塁打を放っていた巨人・中田翔内野手が負傷で今月5日に登録抹消され、タイトルホルダーの村上や巨人・岡本和真内野手も7発。8選手が2差でひしめく混戦模様のホームランレースを今後、誰が引っ張っていくだろうか。
パ・リーグも混戦だ。1位は西武・中村剛也内野手とオリックス・杉本裕太郎外野手の8発。どちらもチームは42試合を消化しており、年間27発ペースとなっている。杉本は左ふくらはぎの軽度筋損傷で今月4日に出場選手登録を抹消された。
20本台の本塁打王は、2012年の中村が最後(27本)。当時は「飛ばない」とされる統一球が使用されていた。2人に続くのは、ソフトバンク・柳田悠岐外野手ら6選手。7本で並んでいる。
20本台でパ・リーグのキングが誕生したのは中村以外では大下弘(東急)の26本(1951年)、中西太(西鉄)の25本(1952年)、29本(1956年)、23本(1958年)、山内和弘(大毎)の25本(1959年)、1961年の野村克也(南海)&中田昌宏(阪急)の29本、1995年の小久保裕紀(ダイエー)で28本となっている。近年では極めて珍しい事態であることが分かる。
パは今季も“投高打低”が顕著だ。規定打席に達している3割打者はソフトバンク・柳田悠岐外野手、中村、日本ハム・松本剛外野手の3人だけ。一方、規定投球回に達している防御率1点台の投手は4人いる。未達でもロッテ・佐々木朗希投手が0点台(0.84)をマークしている他、オリックス・山下舜平大投手ら若き力の台頭も目覚ましい。今後パの本塁打争いは誰が引っ張っていくのか。注目される。
(Full-Count編集部)