身につけておきたい挨拶と興味 球界OBと企業経営者が考えるセカンドキャリア

「南日本酪農協同株式会社」の有村義昭代表取締役社長(左)とソフトバンクの球団OBの池田親興さん【写真:荒川祐史】
「南日本酪農協同株式会社」の有村義昭代表取締役社長(左)とソフトバンクの球団OBの池田親興さん【写真:荒川祐史】

ホークスOBの池田親興さん「社会人はまず挨拶、頭を下げるということが大事」

 昨今のスポーツ界で、選手のセカンドキャリアは課題と1つとされる。現役生活を終焉を迎え、現役時代よりも遥かに長い時間となる第二の人生をどう送り、どんなキャリアを描くかは、多くの選手が頭を悩ませるところだ。実際に日本野球機構(NPB)が若手選手に行ったアンケートでも、全体の38.5%が引退後の生活に「不安がある」と回答した。

 球団として選手のセカンドキャリア支援に力を注ぐソフトバンクの球団OBと企業経営者がセカンドキャリアを考える連載の第2回。解説者として活躍する池田親興さんと宮崎県都城市に本社を置く乳業メーカー「南日本酪農協同株式会社」の有村義昭代表取締役社長が、セカンドキャリアを描く上で求められることを語り合った。

――有村社長が経営者として人材に求める素養とはどんなところでしょうか?

有村義昭社長(以下、有村)「まず弊社の説明をさせていただきますと、九州を地盤にした乳業メーカーであります。ちょっと他の乳業メーカーさんと違うところというと『スコール』という清涼飲料のブランドを持っていると言うのは、おそらく私どもだけだと思います。ただ偶然に生まれたのではなく、乳をしっかり使った商品を子どもたちに飲んでもらいたいと開発された商品です。そこは特徴があり、ユニークだと評価いただいてるところであります」

池田親興氏(以下、池田)「僕は宮崎県の出身なんで、これを飲んで育ったと言っても過言ではないですね。もともと牛乳は好きだったんですが、母が『みどり』という名前で、緑のパッケージだったこの『スコール』だけはジュースでも飲んでよかった。乳酸菌飲料が大好きになったキッカケでもあり、これを飲んで体が大きく、強くなりました」

有村「我々もここへ来て人手不足というのは切実ではあります。人材に求めるところですが、チャレンジ精神があると言うのが大事だと思います。僕たちの若かった頃というのは、言葉が適切かどうか分かりませんが、聞かん気の強い人間が結構いました。ですが、最近の若者は大人しくなっているような気がしないでもない。最近の子は情報をいっぱい持っているんですけど、その情報をうまく使い切れていないなと思うことはあります。思い切ってチャレンジしてほしいですし、失敗を怖がらない、あとはグローバルな感覚を持ってる人材を求めています」

池田「プロ野球の世界でも同じことが言えるかもしれません。時代がアナログからデジタルに変わって、自分から情報を取りに行けるようになり、選手たちも変わっていきました。昔はあまり考えずにまず行動して、結果を自分たちで責任を取るっていう感じだったんですが、今はちゃんと考えた上で行動して責任を取らなきゃいけない。大人しいというよりか、自分の使い方というのは10人いれば10人違うはずなのに、10人が同じように見えてしまう。それは勿体ないかなと感じますね。個性はあるんですけど、その個性が、昔はもっともっと手にとって分かるような人が多かった感じがします。辞めることが簡単になっている。いろんな失敗をして、怒られてもここで頑張ろう、というのではなくなってるような感じがします」

有村「実際にそういうふうに感じますね。弊社もご多分に漏れず、若くして辞めていってしまうっていうのがあります。企業として考えなきゃいけない部分だと思うんですけども、最近では入社3年以内の子が辞めていってしまう比率が少し目立ってきたというのが一つ大きな心配ではあります」

「指導やコーチングが上手い人がいる。アスリートの可能性は大きいんだろうなと思います」

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