巨人菅野は「球の力を補う投球術がある」 ペナントを左右する克服すべき課題

阪神戦に先発した巨人・菅野智之【写真:小林靖】
阪神戦に先発した巨人・菅野智之【写真:小林靖】

今季3試合目の登板で7回2安打1失点の好投を見せた菅野

■阪神 3ー0 巨人(1日・東京ドーム)

 好投も白星に繋がらなかった。巨人の菅野智之投手が1日の阪神戦(東京ドーム)に先発し、7回2安打1失点の力投も2敗目を喫した。4番・大山悠輔内野手に痛恨のソロを浴びた“失投”が悔やまれる結果に。野球評論家の新井宏昌氏は「全盛期の球ではないが、試合を作っていく修正能力はさすがの一言」と、評価した。

 今季最多110球の熱投で先発の役割を果たした。立ち上がりからカットボール、スライダー、フォークと多彩な変化球を駆使し3回まで無安打投球と猛虎打線を翻弄。だが、4回2死から大山に甘く入った148キロの直球を完璧に捉えられ先制ソロを被弾。その後は三塁を踏ませない投球を見せるも、打線の援護なく7回1失点で降板となった。

 復帰3戦目で今季一番の投球内容を見せた右腕に、新井氏は「序盤はややリズムが悪かったが要所を締める投球。内外の投げ分け、クイックを使ったり間合いを取るなどの投球術。最少失点で凌いだのは素晴らしかった」と賛辞を送った。

 一方で「全盛期に比べるとスピード、キレはなくなってきている」と指摘する。150キロを超える直球はなく、大山に被弾した直球も完璧に捉えられた。投球全体の約7割が変化球と配球にも変化がみられる。「コースが甘くなったといえばそれまでだが、いとも簡単に持っていかれた。以前なら空振り、ファウルを取れていたが今は厳しい」と新井氏は語る。

Aクラスを目指すには「2人の大車輪の活躍が必要」

 中堅からベテランに差し掛かり、肉体的な衰えは見え始める。誰もが通る道だが“モデルチェンジ”に成功できる選手は現役生活も長いという。巨人、日本のエースとして活躍した右腕に求められるハードルは高いが「球の力を補う制球力、投球術がある。この日の投球が今後、菅野投手が生き抜く道なのかもしれません」と新井氏。この日、奪った三振は4つ(野手からは3つ)だが、十分に先発の役割は果たした。

 チームは交流戦を11勝7敗と勝ち越したが、リーグ再開後はここまで2勝4敗で4位。首位・阪神までのゲーム差は5.5と、ここが踏ん張りどころ。先発陣は8勝(1敗)をマークする戸郷翔征投手に続く2番手以降が課題になっている。

「戸郷と2人で柱になることができれば。Aクラスを目指すには2人の大車輪の活躍が必要になる。菅野の存在なしに巨人の上昇は考えられない」

 2度の沢村賞を手にするなど、数々の投手タイトルを手にしてきた菅野。新たな投球スタイルを築き、苦しむチームを勝利に導きたいところだ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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